1998年発売
激しい羽ばたきの音とともに矢のごとく舞い下りてくる巨大な翼。闇よりもなお黒い、忌まわしい姿のそれは、薄刃のごとき鉤爪で少年のやわらかな皮膚を容赦なく裂き破る。華のように散る鮮血。眼もくらむほどの苦痛。-みるみる混濁しかかっていく敏生の視界に、だが、誰よりも大切な人の背中が映る。(天本さん…!)追儺師・天体と半精霊・敏生。話題のコンビが百鬼を討つ!ネオ・オカルト・ノヴェル。
「魔竜スピノザ!お前を、倒すっ!」…べしゃ。次の瞬間、自称『勇者の代理人』の少女は、見事にすっ転んでいたー。エチカ・ライプニッツは明るく元気な少女。聖「デルフォイ」の森に、スピノザという魔竜が棲むという噂を信じ、退治しにやって来た。街の人々は、誰もそんな噂を信じていない。馬鹿にされながらも、エチカは森の奥にある洞窟で、人類の天敵、魔竜スピノザを発見した!ところが邪悪な敵であるはずのスピノザは、香茶を愛す菜食主義の竜だった!?第九回ファンタジア長編小説大賞準入選受賞作!元気な少女と風変わりな竜とのふれあいを描いた、心温まるロマンティック・ファンタジー。
思い立ったら即、行動!(むてっぽうで、おっちょこちょい)の香山まなは、誰もが認める熱狂的アニメファン。(オタッキーって、わけじゃないヨ)。今、夢中なのは、『魔獣戦士ライレリアス』!それもレイナ役の声優・市瀬さやかさん!!録音スタジオの近くで事故(ホントに?)からさやかさん(いーヒトなんだ!)を救ったまなは、スタッフたちと親しくなり、さやかさん宛ての脅迫状を見た(しんじられない!)。「レイナと同じく、新たに生まれ変わるための死を授ける」だって。許せない!でも大騒ぎしたら、『ライレリアス』が打ち切りに!?どうしたらいい。
フリーのイラストレーター・夏生は、別れた妻・ゆかりの妊娠のため、同居を始めたばかりの雅道から離れて、生活を送っていた。(まーさんに会いたい…。会って、しっかりと抱き締めてもらいたい)父親になることへの戸惑いを感じながら、自分の存在を確かめるため、再び雅道へ近づいてゆく夏生。そこに、ゆかりの担当医である、木原という男が現れて-。
21世紀末、南米の科学者達により作り出され“遺伝子戦争”の引き金となった新しい人種「猫目」。彼らは優れた特殊能力を持つ反面、生殖能力がなく、社会から迫害される存在であった。CK(チンピラ・キッズ)として気ままに生きる主人公リョウは、ある日、マリアと名乗る女性に襲われ、その圧倒的な力の前になすすべなく連れ去られる。香港、サイゴンで仲間を加え、襲撃をうける中、リョウは自分が「猫目」に関するトラブルに巻き込まれていることを知るー。第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞作。
ついにマリア達のもとから逃げ出したリョウは、ロンドンでフィズというひとりの少女と出会う。ふたりは互いに惹かれ合い、新しい生活を始めるが、それも長くは続かなかったー。リョウは、自身の運命を知りつつも、無気力なままマリアたちと合流。「猫目」一族の本拠地であり、旅の最終目的地でもある衛星国家へ向かう。そこでリョウを待つ真実とは?そこでリョウの選択する未来は?第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞作。
23世紀の火星都市。軍士官学校のエリートユージィンは、政財界に君臨するアフォルター家の娘・アンゲリカと婚約した。輝かしい将来が約束された反面、上級生のフォルカーから悪質ないやがらせを受けるようになる。親友のヴィクトールは心配するが、ユージィンはじっと耐えつつ、自らの野望達成の機会を狙って密かに動き始めていた。様々な思惑が渦巻く火星都市で、最後に笑うのは…。
辺境の地から、謎の軍勢が王都バンホークを目指し進んでいた。同時に隣国グロスグラードも動きだした。ノーデンソークは、今まさに魔人ロミュアルドの手におちようとしていた…。王宮に身を寄せるディートリヒとカラベルクは、人間同士の戦に参加すべきかどうか悩んでいた。王妃パウリスカは、二人に母親のもとへ帰るよう勧めるが…。妖精の騎士たちの冒険ファンタジー、クライマックス。
亮が再び消息を絶ち、二か月あまりが過ぎたある日、咲也のクラスに転校生が入ってきた。明智一実と名乗るその少年は、実は、亮に対抗する反乱組織の一員。しかし、何も知らない咲也は、“亮の居場所を知っている”という一実を信じ、自ら危地に飛び込んでしまう。一実の狙いは、はたしてどこにあるのか!?そして、咲也の運命はいかに!?光と闇の使者が華麗に舞う、近未来世界のサイキック・アクション・ロマン第二幕。
こんにちは!パステルです。みんな元気にしてた?わたしたち、6人と1匹の冒険初心者パーティが、あれからどうしてたかというと。前回の「偽りの王女」作戦は大成功!だったでしょ。マリーナにもすっごくお世話になったし。だから、さっそく祝杯をあげようって、みんなで街に繰り出したんだけど。でもね。な〜んか、嫌な予感がするのよね。だってだって、わたしの目の前にいる女の子って…!?RPGテイストたっぷりのわくわくどきどき冒険ファンタジー。シリーズ第4弾は、いきなり大クエストに突入っ!!
こんにちは!パステルです。みんな元気にしてた?わたしたち、6人と1匹の冒険初心者パーティが、あれからどうしてたかというと。前回の「偽りの王女」作戦は大成功!だったでしょ。マリーナにもすっごくお世話になったし。だから、さっそく祝杯をあげようって、みんなで街に繰り出したんだけど。でもね。な〜んか、嫌な予感がするのよね。だってだって、わたしの目の前にいる女の子って…!?RPGテイストたっぷりのわくわくどきどき冒険ファンタジー。
領主の三男坊として生を受けながらも島人との混血と蔑まれ居場所がないケアルには翼を操り空を翔けることだけが唯一の自由だった。このままどこまでも飛んで行けたら、そんな思いで飛んでいた彼の目に悠然と大海を征く巨大な帆船が。未知の国から来訪したこの船こそ彼を激動の時へ導く運命の使者だった。
ときは大正、花の巴里。薔薇色の人生に別れを告げて冒険児伊集院従吾、南海に発つ。美女と美少女引き連れて、飛ばす愛機は複葉機。行く手を遮る魔人を討てと抜くは名刀菊一文字。科学も魔術も蹴散らして、唸る銃弾、火を噴く飛行船(ツエッペリン)。来たぞ我らの痛快冒険活劇浪漫。
誘拐されたアリスを救出するため、テレビの国に来たタカシとトシオとひろみとゆかり。ここには、ニュースやワイドショーやクイズなどの街がある。電波人間になった者は、同時にいろんな街に顔を出せるんだ。「テレビの国」でアリスもアイドルデビュー!?でもそうなると、何人ものアリスができちゃうし、元に戻るとき一気に年を取っちゃうんだってぇ!?“おばあちゃんアリス”じゃ物語に戻れない。急げ、胸キュン・ペアー。
ビストロ「レピシエ」は、千冬が幼なじみの如月と二人きりで続けてきた大切な場所だった。しかし、ライバル店の出現によって「レピシエ」が経営難に陥っていることを知った如月は、ついに閉店を決意する。途方に暮れる千冬は、唯一、自分の料理を求める吉野のもとで暮らし始めるが…。「シェフじゃない俺なんか、興味ないんだろ?」幼なじみと料理を作る意欲をなくした今、千冬は吉野の愛さえ信じられなくなっていた。
叩かれた左頬を押さえ、敏生は茫然と天本の顔を見つめた。手の下で、頬が火のように熱く疼いている。(天本さんが…僕のこと…ぶった…?)信じられなかった。けれどーけれど。「天本さんは…いらないんだ。…僕なんか、いらないんだっ!」「敏生っ!」追儺師・天本と半精霊・敏生。十月のイギリスで見た恐怖とは?ネオ・オカルト・ノヴェル。