1998年発売
ハイランドの使者として未知の国デルマリナヘケアルは旅立つ。苦難の航海を越え辿り着いた地は何もかもが驚愕と当惑に満ちていた。利権を求め彼を利用すべく群がる人々、あまりに違う慣習、価値観-。惑う心でケアルはふと空を見上げる。飛びたい、と-この異郷の空も自分を暖かく包んでくれるだろうかと。そしてケアルの孤独な闘いが始まる。
一番手の宇宙船が彗星めざして出発したとき、美紀たちはやっと衛星軌道上で、ダイナソアを核とした遠距離宇宙船の建造にとりかかったところだった。勝負に持ち込むためには急がねばならない。訓練中の学生まで作業要員に組み込んで、マリオとヴィクターの指揮の下、突貫作業が続いた。ついに、宇宙船プシキャットは完成した。だがその時、キャプテン・デュークの健康状態という思わぬ難題が持ち上がった。
アリスが“勉強の国”に誘拐された!?さっそく出動した胸キュン・ペアーが、まちがって着いたのは“不勉強の国”。なんたってここでは勉強すると叱られるんだから、タカシやトシオにとっては超ラッキー!しかし楽なことは続かない。めざす“勉強の国”のパズルは難問奇問あたりまえ!いきなり勉強熱心なサルに敗れて、めげるタカシ…。こんなことで無事アリスを救出できるの!?ガンバレ、胸キュン。
十年前のある事件を機に、影野竜司は警視庁特捜部を辞し、同時に一生癒されることのない心の傷を負った。そして今、新宿百人町に電話一本のちっぽけな事務所を構え、トラブルシューターとして日々を送っている。その手荒な解決手段は闇社会で有名になり、竜司は「もぐら」と怖れられていた。今回の依頼は、渋谷にたむろするギャング気取りの若者に凌辱ビデオを撮られ、売春を強要されている妹を救出してほしいというものだった。竜司にとって、これは単なる仕事の一つにすぎないはずだったが、張り巡らされた罠が、次第に竜司を追い込んでいく…。忌まわしい過去を持つゆえに人一倍優しく、時に凶暴化してしまう竜司。ニューヒーロー、ここに誕生。
「家族って、無関心で鈍感なくらいがいいのよ。だからずっと一緒にいられるの」山田家最大のタブー、それは長男・今日介の、姉・明日子への恋愛感情だった。姉といっても、実はいとこ。幼いころ山田家に引きとられた明日子も、両親同様、弟の“初恋”に気づかないふりをしてきたのだが…。ミュージシャンになる夢までも父親に踏みにじられた今日介は、ついにキレて家を飛びだす!そして2年後、思わぬ再会をしたふたりは。
三月のネオ・ミレニアムの事件から数か月。岩長猛を亡くし、亮とも会えぬままに夏を迎えた咲也は、物部財団次期会長お披露目のため、豪華客船に乗船していた。時を同じくして、ネオ・ミレニアムの幹部「クイーン」は、ある男を使っての咲也掠奪を目論む。一方、米国の裏切りにあった亮は、横須賀の米軍施設脱出を図っていた!!光と闇の使者が華麗に舞う、近未来世界のサイキック・アクシヨン・ロマン第三幕。
天本の喉から、苦悶の声があがった。まがまがしいほど美しいーあの人の面影をうつした人形のやわらかな舌が、無抵抗の天本の唇を、ゆっくりと割っていく。(罠だ。…これは、妖しの仕掛けた…罠だ)だが、抗う力は、もはや残っていなかった。(すまない、敏生…)-それが、最後の正気の言葉であったか。追儺師・天本と半精霊・敏生。話題のコンビが百鬼を討つ!ネオ・オカルト・ノヴェル。
ファッション・デザイナーを目指すミシェルは、新人コンクルールに出品するために、ウエディング・ドレスをデザインする。それは、婚約者のエリザベスにプレゼントするドレスでもあった。だが、ミシェルの才能を妬んだベテランのデザイナーがそのデザインを盗作して、コレクションで発表してしまう…。華やかな光の世界から闇の世界に堕ちたミシェルを待っていたのは、宿命の対決だった。
ある朝、病院の庭で、首を吊って死んでいるひとりの老婦人が発見された。警察は彼女の死を自殺だと判断した。彼女の主治医も、友人知人も、彼女が重い病気を悲観して、死を選んだと考えた。誰もがそれを自殺と信じて疑わなかった。-たった一人の少年を除いては。あたし、工藤由香。少年の依頼を受けて、半信半疑ながらも、調査を始めたあたしたち。ところが、その少年が命を狙われて…。
「うおおお〜っ。びやああ〜っ!!」ジェットコースターは、絶叫する胸キュン・ペアーを乗せて、恐怖の国へ!ここでは、人類を恐怖のどん底におとしいれるため、最終恐怖兵器の“アリス爆弾”を作る計画が!?早くアリスを見つけて脱出しないと、いくら食べてもおなかがすく食欲地獄で、ひろみやゆかりが、おデブになっちゃうし…。助けてMI、アリスを絵本の世界に帰して。
予備校講師の久住は、肩に擦り寄ってくる感触に、半分眠ったままで腕を彷徨わせた。(-あれ?)抱き寄せた身体は温かかったが、なにかが違った。スレンダーな女性は好みだけれど、こんなにも肉付きの悪いヒップはついぞ覚えがない。-そうだ。痩せた女ではない。これは、発育途上の少年の身体だ。目を開けるとそこには、昨日、山手線の中で拾った桜庭環のあどけない寝顔があった。
不毛の大砂漠地帯・ラブラドル大地峡。その灼熱の大地から、赤き剣を持つ男はやってきたー。北クリスタニアの中央部、フォレースル地方の首都スループを目指し、男とその配下である蟻人族の屈強の戦士たちは北上する。神獣クロイセの名代たるその男の名は、レードン。その頃、ケレンスなる小村の護民兵・カルーアは、テューレやフィランヌら北の王国ダナーンからの使者と出会い、スループを目指すというそのパーティとともに旅立つことになる。臆病で、己に自信の持てぬ自分自身を、変えるために。戦乱の予感の中、それぞれの思惑を秘めて、彼らは出逢い、すれ違う。そして、レードンの真の目的とは。