2000年10月発売
茨城県、鹿島。-大地を震わせ万物の生命を育む東方木気の地は、いまだ霊力を回復する兆しがない。その切迫した状況に、ついに中央は使役鬼を派遣するよう、『本家』に申し出た。鹿島神宮に赴いた弓生と聖は、そこで起こった怪異を目の当たりにする。湿地と化した境内、蠢く蛇の群れ、散乱する魚の死骸…。そしてついに、かつて抹殺された神が人々の前に姿をあらわした-!まつろわぬものたちの怨念こもる茨城の地で、二人の鬼を待ちうけていた運命とは…。
南海で発見された謎の海洋生物は「スピード・フィッシュ」と名付けられた。恐るべきスピードで船舶を襲い、一瞬にして鉄骨を溶かし、刺激性ガスで空気を汚染する。島嶼部ではガス中毒で多くの死者が発生。しかも、その個体は発見されるたびに巨大化し、とうとう空中を跳躍して内陸部をも襲う勢いに。小笠原・伊豆諸島を北上し東京湾を目指すかのような出没状況が報告されると、都心は大パニックに。避難を急ぐ人々で交通網は麻痺、強盗や暴動までが頻発。ついに政府は、陸海空の三自衛隊に治安出動命令を出した。謎の生物と人類の戦いの行方は-。
小さく貧しい国クマリでは、代々、全国の少女の中から選ばれたひとりが、女神の化身としてその名前「ヤクシー」を継ぐ風習があった。ある日、隣りの大国ストゥウラがクマリへの侵略を開始した。敵兵に怯える街中で、青年僧シュシと雑誌記者ジェイは、ヤクシーの少女と出会う。だがその時、少女の背後からはストゥウラの追っ手が迫っていた。執拗な追跡を避け三人の逃避行は始まるが…。
地球を目指すヴォイジャーが感知したテトリオン・ビーム。それは艦をデルタ宇宙域へ強制転送した管理者のはなった物に酷似していた。はたして、もう一人の管理者が存在するのか?ジェインウェイは艦の針路をビームの発射された方向へと向ける。しかし、その進路上にあるクリア星団は、ハチャイとプニアと呼ばれる巨大国家が、数世紀にわたる戦争を続けている紛争地帯だった!はてしなき戦いに巻き込まれたヴォイジャーの運命は。
砂と岩の砂漠の真ん中で、キノは空を見上げていた。晴れている。 頭を下げて、石造りの口を開ける井戸を見た。涸れている。 「だから言ったとおりだよ。最初からこれじゃあ旅なんて無理だよ。キノ。旅人に一番必要なのは、決断力だよ。それは新人でも、熟練の旅人でも同じ。違う?」 「いいや、エルメス。それはきっと運だよ。旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの。運さ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、今までにない新感覚ノベル第2弾!!
駒犬銀之介は見事に潰れた目玉焼きを前にして、ため息交じりに呟いた。「ちゃんとした目玉焼きが食べたい」。しかしそれは叶わぬ夢。なぜなら月のような卵を一目見たとたん、銀之介は狼男に変身してしまうのだ…!?この秘密がばれたために、銀之介は幾度となく転校を繰り返してきた。そいでもって今回転校してきたのが飯波高校。『僕の血を吸わないで』の舞台にもなったここには、立場をかえてあの倉地香がいたりもして…。あのコンビが新たに放つ、ファン待望の新シリーズ。
1939年ー。G機関による「機甲都市化計画」は着々と進行しつつあった。独逸全土で地脈加速炉が建設され、国家防衛の要となる巨大航空戦艦の建造が急ピッチで進められていたのだ。独逸の動きを危惧した反独隊は、独逸防衛の要である航空戦艦の破壊と、極秘に行われていた発掘作業による発掘物を奪取するため、行動を開始した。再び伯林で出会ったヘイゼルとベルガーは反独隊と合流。独逸軍の暴走を阻止するため、闘いに身を投じていく。はたして、ヘイゼル達は独逸の「機甲都市化計画」を阻止することができるのか?そして、全ての人々の運命を変えゆく発掘物の正体とは…。「機甲都市伯林」待望の続編。
砂と岩の砂漠の真ん中で、キノは空を見上げていた。晴れている。頭を下げて、石造りの口を開ける井戸を見た。涸れている。「だから言ったとおりだよ。最初からこれじゃあ旅なんて無理だよ。キノ。旅人に一番必要なのは、決断力だよ。それは新人でも、熟練の旅人でも同じ。違う?」「いいや、エルメス。それはきっと運だよ。旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの。運さ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。
どこにでもありそうなありふれた図書館。壁際の本棚の向こうに、大英図書館特殊工作部、日本支部はある。ジョーカーは会議で、『黒の童話集』の件について報告をしていた。読子の功績をアピールするジョーカーだったが、ジェントルメンはなぜか読子の能力について否定的だった…。BBCの放送開始の知らせを受け、会議は中断された。世界最大の書店『バベル・ブックス』開店のニュースが画面に流れる。オープンを待つ客の行列の先頭にはなんと、読子がいて…。
泉鏡花を囲み、酒肴を楽しむ鏡花会。割烹旅館「湖畔亭」で第八回鏡花会が催されることに。鏡花の愛読者である女将が会場を提供したいと申込んできたというのだ。強度の潔癖症の鏡花にとって見知らぬ土地で、出される食べ物を食べ、宿泊するなどとはもってのほかだが、編集者碓井鯛之介に引っぱり出されてしまう。折しも八月、実際に蝋燭を立てて「百物語」をすることに。百の怪談が語られ、百本の蝋燭が消されたとき、第一の殺人が!しかも、被害者は右腕を切り落とされていた。執拗に女将を疑う地元の出席者たちだが、彼女はただ、「龍神の祟り」と繰り返すのみ…文豪ミステリシリーズ、第二弾。
「だらああああああああっ、やってられるかあ、こんなもんっ!」いつになくテンションの上がりまくったシャノンの声が、ベクタの街に響く。「なんでこんな苦労をせにゃならんのだ」魔物に襲われた巡回劇団を助けるだけのはずが、何故か舞台に上がるはめになってしまったパシフィカとシャノン。夫婦漫才なら地でいけても、シリアスドラマはちと荷が重い。慣れない演技で困っているところへ、何と今度は刺客まで!?公演まであと一週間。こうなりゃヤケだ。地獄の稽古に耐え抜いて見事、舞台を成功させてみせるぜ!?榊一郎のハートフルファンタジー第六弾は、三姉兄妹の全然のんびり出来ない休日編。
月が落ち、その光が地球上を覆い尽くしたとき、人々は万色の輝きの中で新たな『力』を得た。しかし、それは決して祝福ではなかった。力を得る代わりに月の光に侵されたのは身体…心まで侵された者は、鬼となり二度と『人』には戻れない。鬼を狩る『夜狩り』として生きる京四郎。彼は愛用の五〇口径を手に、背を信頼する相棒、桜に預け終末の街を駆け抜ける!超絶の世紀末格闘ノベル誕生。
人の意識とコンピュータ・ネットワークを直接接続するシステムは、もうひとつの現実と言うべき世界を構築していた。速度中毒の少年ミヅキは、自分の反応速度に追従できない接続機器にいらだちを隠せずにいたが、超高性能リンケージャ「ダイヴ・ウェア」を偶然手にした事で世界が変わった。これがあれば思うままに飛び回れる!まったく別次元のスピードに酔いしれるミヅキだったが…。新世紀サイバー・アクション、ついに開幕。