2001年発売
リルカ星域の戦いでナツミを失ったあと、祐太郎たち乗員は連邦領ガニメテに戻された。連邦の対応は思いがけず穏当なもので各乗員には新たな配属が与えられた。しかし、祐太郎は失望感から立ち直ることができず苦悩する。そんな彼の前に現われたのは、リルカ王国の王女アトゥイだった。彼女の持つ特別な力を使ってナツミを元の姿に戻そうと提案する。一方ムラマツ、ヒカリは、仲間を集め、ナツミを救い出す方法を模索していた。そしてついに、ナツミ救出作戦が始動した…!!果たしてナツミの運命は!?第4回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞者・橋本紡が贈るSFコメディ第5弾。
人の周囲にその人物の感情の“色”が見える高校生ー希崎心弥。彼は幼なじみ、露草弓の初めての里帰りに同行することになり徒帰島に向かう。無事に祖父との初対面を済ませた弓であったがやがて二人にとって恐るべき事実が明らかになる。実は島には「波谷様」と呼ばれる信仰の対象がおり、そしてその『神』は信者に特別な力を分け与えていたというのだ!さらにこの世に迷宮神群と呼ばれる神々がおり、その眷属と神々を狩る者たちの間で凄絶な争いが今も続いていること、そして心弥自身の他人の感情の“色”を読みとる能力もまたその神群の一人からもたらされたものだということを知った心弥は…!第7回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞の渡瀬草一郎が紡ぎ出す新神話、開幕。
登極から半年、疾風の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。そして、弑逆の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒は、忽然と姿を消した!虚海のなかに孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は身も心も凍てついていく。もはや、自らを救うことも叶わぬ国と民ー。将軍李斎は景王陽子に会うため、天を翔る!待望のシリーズ、満を持して登場。
鳴蝕。山が震え、大地が揺れ世界が歪み、泰麒は、十の歳まで過ごした蓬莢にいた。帰りたいー。しかし、その術を知らない。泰麒が異界でひとり懊悩する頃、戴国には謀反によって偽王が立ち、日ごと荒れていた。その行く末を案じ、泰台輔と同じ胎果である誼の陽子を頼り、慶国を目指した李斎は思う。麒麟がいなければ、真の王はあり得ない、と。そしていま、雁国をはじめとする、諸国の王と麒麟が、戴国のために立ち上がる。
美空中学の三年生で放送部員のたかねはお昼の放送の担当。そんな彼女の放送は、生徒の間でも大人気だった。ある日、いつものように校内のリクエストボックスをのぞくと、また同じ人から送られてくるリクエスト用紙が入っていた。自分も他の部員たちも知らない曲。それが気になるたかねは、町中のショップを探すことに…。玉井&松田&森田屋トリオが贈る小説版『トゥルーラブストーリー』の新シリーズ登場。
この世界には、人間とタヌキという相反する二つの勢力が存在している…。火星開発会社の新入社員のぼくには、ようやくそれがわかってきた。とうに分解して、無くなってしまったらしい火星の奪還をめぐって、利害が対立するふたつの会社が、戦いを続けさせていた。そして、その人間とタヌキとの戦いによってこそ、世界は成立している-そういうことなのだ、たぶん。ほろにがくって、なつかしい未来。すこし不思議で、とっても変な北野勇作ワールドの原点!第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
学校なんか、家族なんか、世界なんか、壊れてしまえばいいって思ったこと、あるだろう?ぼくは、壊してしまったんだ、実際に-。廃墟も同然に崩壊した地区。しかし国道をはさんだ反対側には、もとのままの街が無傷で残る。頻発する謎の地震-M震でモザイク状に崩壊した東京をさまよい歩く少年、リュウ。野球帽とサングラスで素顔を隠したリュウはやがて、M震で家族を亡くした少年たちのグループに合流する。生き残るための戦いと逃亡の日々の中、リュウの奇妙な告白に、グループのリーダー大輔は…。
凶悪な龍が支配する砂漠の惑星ゲヘナ。そこで最大の勢力を誇る三大国のひとつ、カルダモン王朝の綾羅王子を暗殺しようとしたのは、猫をつれた凄腕の喪われし武術使いだった。その噂を聞きつけたバーンは、なぜか自分がやったと言い出して、軍事刑務所ギスカル要塞に囚われてしまう。そして要塞に潜入したメルも、何者かに襲われて行方不明に。一方、そんなバーンの無実を証明するべく、動き始めたアイスとフロスティが、忍びこんだ王宮で出会った相手とは?新キャラクターも登場して、俄然もり上がる人気シリーズ第四弾。
1943年、独逸G機関は全高1マイルを超える超大型言詞加圧炉“トリスタン”を完成。ついに伯林は国家の防護と援護の要塞=機甲都市としての機能を始動した。しかし、予言に謳われた世界の崩壊は刻一刻と迫りつつあった。何故、世界は崩壊しなければならないのか?それを阻止する方法はあるのか?激しさを増す独逸と連合軍の戦争の中で、全ての流れを受け入れようとするG機関長レーヴェンツァーンと、新しい歴史を刻もうとする反独隊のヘイゼルは、それぞれの信じる未来を実現するため行動を開始した…。「伯林」シリーズ第4弾!今、機甲都市化計画の真の目的が明らかになる。
アグニ星系の第二惑星Agni02。砂嵐が常に表面を覆うその忘れ去られた惑星上で、人は生き、そして戦い続けていた。戦争の主役となるのは有人弾頭ーMRVと呼ばれる人型兵器である。亜空間強襲によって敵拠点に瞬時に現れ、壊滅的な打撃を与えることの出来るMRVはこの惑星の戦場に新たな次元を持ち込んだ。そして今Agni02のアリア地区に、一人の英雄が育ちつつあった。彼ーガウ・ハーマンは、現在はまだ不良グループの一員に過ぎなかったが、持ち前の気質から仲間達の間で一目も二目も置かれる存在となっていた。ガウはアリア州長官ギルサウザーの支配に不満をつのらせ、ひとつの計画を立てたー。新・英雄譚、開幕。
獣の牙ベルディア砦に忍び寄る、姿の見えぬ敵。かねてからの仇敵である猛虎の民の心中にも、ある迷いが生じている。強大な魔力を秘めたその侵略者に素直に与すべきか、否かー。ある猛虎の民の戦士は獣の牙に潜入、その内なる葛藤が壮絶な結末を導きだす。また、密林に向かったある傭兵パーティは、2人のホムンクルスの少女に出会い、侵略者の貴重な情報をもたらすことになる。そして、ベルディア帝国の王都で見え隠れする、宮廷魔術師団の叛心。王国、そして砦を覆う暗雲の核心が、次第にリュースたちの前で明かされていくー。気鋭の作家陣が綴る『傭兵伝説クリスタニア』連作、波乱の中盤へ。
少しだけ未来の、少しだけ魔法に目覚めた地球。見習い魔法使いの女子高生、友佳里は、遙か銀河の彼方にある「魔法世界ルイール」で正式な魔法使いとなるべく、今日も地球の空を飛ぶ。その行く手に現れる謎の魔法少女の正体は?さらに突然地球へとやって来た銀河帝国の巨大宇宙戦艦の目的はー?果たして、友佳里の前に「星への扉」は開くのかー魔法と科学の未来世界を軽やかに描く青春SFファンタジー。
少女シア。彼女には精霊が見え、お願いをすることができた…幼い頃に森で拾われてから、平和のなかにあった生活。しかし、それはある日急変した。空から落ちてきた男-金属の箱の中で眠っていた異形の存在ディースの出現によって。突然の兵士の襲撃に、焼け落ちた村。すべてを操っているのは誰なのか。自分の出自を知ろうとするシアの前に、世界をも揺るがす策謀が立ちふさがる。亜人バズファーン、男装の王女レスティア。新たな仲間たちを加え、シアは次の旅に向かう。謎と魅惑の異世界物語、第二弾。
街をモザイク状に襲うM震-その源は、少年リュウの“血”にはらまれた危険な超能力によるものなのか。この世に“崇高なる破壊”をもたらすことを目的とした教団“星なき荒野”。その教祖・蓮沼無熱が、自らの体細胞DNAより生み出したクローン、それがリュウという存在の真実であったのだ。仲間の大輔や母・唯花らと離れ、廃墟の街をひとりさまようリュウ。失意の彼に、教団の魔の手が迫る。壊してしまった空間と、壊れてしまった心が交錯するとき、世界はどんな姿を見せるのか!?書き下ろし第二弾。
湖の妖精に恋した青年ジャックの魂は、新しい肉体を求め、夜ごと彷徨っているという。夏の夜、寮生たちが日本の百物語を模して開いた怪談大会。だが、湖にまつわる忌まわしい伝説が語られた時から、異変が始まった。開かずの霊廟で生徒の一人が姿を消し、一緒にいた生徒も悪霊に取り憑かれてしまう。湖畔に建つ全寮制のパブリックスクールを舞台に、霊感少年のユウリが活躍する!第八回ホワイトハート大賞“優秀賞”受賞作。
「母さ…やめ…」振りほどこうともがく、まだ少年だった天本を、母は信じられないような力で押さえつけていた。「…消えて」細い指が、ぎりぎりと天本の首に食いこむ。「消えてしまいなさい、おまえなど…!」過去の悪夢を見はじめた天本のもとに、ベトナムから届けられた父の手紙。いま、失われた記憶の扉が、ゆっくりと開きはじめるー。
歌声が聞こえる。そこは、紅い世界だった。 一面に紅い花が咲き乱れ、隙間なく大地を埋め尽くしている。 何もない、ただ蒼いだけの空が広がる。 ……紅い草原に、再び歌声が聞こえた。 そしてそれが終わった時、最初に聞こえた声が訊ねる。 「これからどうするの?」 別の声は、 「いつかと同じさ。どこかへ行こう」 すかさず答えた。 「そうだね。そうしよう」 最初の声が、嬉しそうに同意した。 そして言う。 「そろそろホントに起こしてほしいなあ。キノ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第4弾!!