2015年6月25日発売
古都京都、花屋梅小路の裏路地に下宿「京極荘」はある。現在の住人は、おぼこい女子大生の穂香と、その隣部屋に越してきた昴季の二人きり。冷たい瞳で京言葉を話すいけずな昴季は、誰にも言えないみやびな秘密を抱えていたー。二人きりの生活に戸惑う穂香だが、ある朝、昴季が大切にする百人一首の古書を開いたことでその関係は一変する。触れてはいけない一冊の本から始まる不思議の数々。わずか31文字の和歌を紐解けば、百人一首に秘められた“もう一つの想い”が今に蘇るー。
やる気だけは人一倍だが、いつも空回りしてしまう少女、一花。最近やっと、仕込みから舞妓になれたばかり。そんなどんくさい一花を、ひいきにする青年がいる。石川総司は祇園の大旦那と呼ばれる花街の顔役。芸舞妓の憧れの総司が、なぜ一花に目をかけるのか。これぞ祇園の七不思議。最近、京のちまたが騒がしい。怪盗夜行ー権力者の不正をただす義賊だという。実は夜行と面識がある一花。そのせいか、一花の行くところ面倒事あり。今日も大旦那と新米舞妓が事件に挑む!?
ホラー小説レーベルの編集者・西任結は、子供の喘息を憂い地方への引っ越しを決めた。だが、そのマンションでは奇妙な出来事が多く起こる川に浮かぶ幾つもの紅い流し雛、不自然に多い空き部屋、「よそ者は出て行け」と怒りを露わにする老人、そして掲示板に貼られた謎の掲示ー。結は若きベストセラー作家・真木夢人に相談を持ちかけるのだが、事態は一向に変わらず。ついに住人の子供が奇怪な死に巻き込まれー。
如月そよ子。鳥辺市の市会議員を務める彼女は、その美しさゆえ「愛らしすぎる市議」として全国でも有名。しかし実は彼女、極度の人見知りで、いつもオドオドしている内気な性格。自分みたいな人間が市議をしていていいのだろうか?と悩む日々を送っていた。そんな彼女のもとに、ある日、野獣のように威厳たっぷりの一人(?)のイケメン秘書がやってきたー。仕事に自信をもてず、あと一歩を踏み出せないでいる貴女に贈る、前向き&元気になれるハートフルストーリー!
七月、咲留間島。東京のはるか南に位置するその島で、俺は絵を描いていた。もしこの夏の間に納得できる作品を描けなければ、この島に骨を埋めようと覚悟して。そんなある日、俺は織川志穂と名乗る女性と出会う。穏やかで可憐な彼女は、幽霊が見えるのだと言った。その真偽はわからないまま、しかし俺は彼女と時間を共有する。蓮池の女霊、ハマユリに見える少女の呪い。そして、消えた彼女の父親。謎に触れるうち、俺は彼女が何かを隠していることに気付きー。
毎夜、夢に現れ「忘れるな」と告げる女性に恐れを抱く神様・天道根命。昔の記憶を失ってしまった神様の御用は、その女性が誰なのか突き止めて欲しいというものだった。夢の女性が挿していたという簪を頼りに、良彦と黄金は天道根命が国造の祖として治めた和歌山へ向かう。そこで出会ったのは、良彦のかつての野球仲間で…。神代の時代に征伐された者と征伐した者。和歌山を舞台に、埋もれた歴史と人の子たちの想いが、いま紐解かれていくー。
天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。高校テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突を繰り返す。プレースタイルも真逆で、何から何までお互いのことが気に食わない。だけどある日突然「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下りー。喧嘩ばかりの凸凹コンビの絆と成長を描く青春テニス小説!二人の熱い夏が始まる。
「このライトノベルがすごい!2023」(宝島社刊) 単行本・ノベルズ部門第1位!殿堂入り! シリーズ累計800万部突破!(電子書籍を含む