2020年7月18日発売
ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本ー横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始めるー。
母に捨てられた少年・宏助は、謎多き中年画家・ローレンを慕っていた。しかしある日ローレンは姿を消し、生死不明となってしまう。年月が過ぎ、大学生になった宏助のもとに突然、ローレンから「自分の絵を売ってほしい」と手紙が届く。なんとか個展を開催する宏助だったが、「ローレンは人殺しだ」という噂を聞き、個展の客・雪子と一緒に真相を探り始めるのだったー。過去と現在がつながったとき、ローレンの絵の中に見つけた悲しい真実とはー!?
時は平安、雅を愛し宮中に憧れる貧乏貴族の娘・明里は、家のために誰もが数日で逃げ出すという春日家に出仕することに。美形にもかかわらず風雅とはほど遠い春日家の三兄弟をかわしながら、新米女房の務めに励んでいた。明里が見立てた長男の装束や、荒れ放題の春日家での酒宴を見事に執り行った機転が兄弟の上官・有仁をも感心させる。そして持ち込まれた、後宮で起こっている不穏な企ての犯人捜しの相談。有仁の頼みで明里は鳥羽天皇が暮らす憧れの宮中に行くことにー!
生きづらさを抱える水森陽向は、真夜中、不思議な声に呼ばれ辿りついた夜の公園で、衝撃の光景に目を見張るーそこでは十代の子供達が壮絶な殺し合いを繰り広げていた。夜の公園では、殺されても生き返ること。ここに集まるのは、現実世界に馴染めない子供達であることを陽向は知る。夜の公園とは。彼らはなぜ殺し合うのか。殺し合いを通し、陽向はやがて、彼らの悩みと葛藤、そして自分の心の闇をあぶりだしていくー。“生きること”を問いかける、衝撃の青春小説誕生!
ある日突然、仙台の超一流ホテルの御曹司・太白と“契約結婚”することになってしまった元会社員のあやね。しかも彼は、仙台のあやかし達を治める長の跡継ぎで!?そんな妖怪だらけ&トラブル続きの日々から少し離れ、新婚旅行という名目で、名所・松島を訪れた二人。しかし訪れた傘下のホテルの支配人は、妖怪以上の難物だった!さらには行方不明だった太白の祖父・啓明が不穏な動きをはじめてー太白を跡継ぎとして認めないって、どういうこと?契約夫婦の妖怪お宿奮闘記。波乱の新婚旅行&お家騒動編!!