映画むすび | 制作・出演 : エイリク・スリニング・コルネス

制作・出演 : エイリク・スリニング・コルネス

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そっと寄り添う  ゆっくり生まれ変わる ----- 夢のような時間がゆっくりと流れる、ノルウェーの哀愁漂う港町… 人生のちいさな一歩を踏み出す、優しさに満ちたスローシネマ。 ■心拍数を安定させながら、心乱さず高揚させてくれる物語は、”語らずに語る”全てが愛おしい「スローシネマ」の決定版。 窓越しの淡い新緑、葉のざわめき、風の通る木陰、船にぶつかる波の音、新聞のページを捲る音など、何気ない日々のスナップショットを並べたような描写と共に、 柔らかな色彩に包まれたこの作品は、静かな佇まいで絵の具が乾くのを見るかのように進む。 何かを声高に叫ぶわけでもなく、世界で最も裕福な国の一つといわれるノルウェーに対する、微妙な疑問とメッセージをそっと囁くように投げかける。 ■監督は、本作が長編2作目となるノルウェーが生んだ才能アンダース・エンブレム。 フィヨルドに囲まれ、絵画のような色彩豊かな風景で「ノルウェーで最も美しい街」と称される監督の故郷オーレスンを舞台に、写真集を捲るように優しく美しい筆致で丁寧に描いた。 自身のインスピレーションの源としてロベール・ブレッソンと小津安二郎を挙げるエンブレム監督は、劇中でも『お茶漬けの味』のセリフを登場させ、 その小津愛溢れる演出には誰もがニヤリとするだろう。       ■主人公アスタを演じるのは、監督デビュー作『HURRY SLOWLY(原題)』に続いて再びタッグを組んだアマリエ・イプセン・ジェンセン。 トラウマを抱える心の揺らぎや内に秘めた聡明さを、透明感を放ちながら抑制のきいた演技で表現。彼女に優しく寄り添うライヴ役にはマリア・アグマロ。 そのコケティシュな仕草と歌声でほっこりと作品を彩る。柔道着を着て、着物を着る。日本の映画を観て、囲碁を打つ。箸を使って食事をする。 少しずつ描かれる二人の機微を愛でるように心静かに見守るプロセスは、観るものを心和む気持ちに導いてくれるだろう。 ※収録内容は変更となる場合がございます。

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