映画むすび | 男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋

男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋

男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋

惚れて惚れられ戸惑って、去って追われて甲斐性なくて…。
ユーモアの中に哀しさが漂う“大人のラブ・ストーリー"を描いた名編。

葵祭でにぎわう京都にて、日本を代表する陶芸家(十三代目・片岡仁左衛門)と知り合いになった寅さん(渥美清)は、
その家で働くかがり(いしだあゆみ)に売れ残り(?)の下駄を贈る。それが二人の切ない恋物語の始まりであった…。
シリーズ第29作は、寅さんにかがりが惹かれ、彼女の強い想いに寅さんが当惑するといった異色の展開。
舞台はやがて丹後、そして葛飾柴又、鎌倉あじさい寺へと移り変わっていくが、
シリーズならではのユーモラスな味わいを忘れることなく、
その上で“大人のラブ・ストーリー"日本代表とも言うべき名編に仕上がっている。
山本直純の音楽もシリーズ中出色の出来。満男(吉岡秀隆)が初めてドラマに深く関わることでも特筆されるだろう。
しかし、満男の幼い眼が見据えた寅さんの恋の結末は、あまりにも哀しくて…。

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