映画むすび | 2017年8月30日発売

2017年8月30日発売

男はつらいよ男はつらいよ

堂々27年にわたる下町人情大河喜劇映画シリーズの記念すべき第1作! 日本中をさすらい続ける永遠のヒーロー、フーテンの寅さんが銀幕初登場! 松竹が、そして日本映画界が誇る、堂々27年にわたる下町人情大河喜劇映画シリーズの記念すべき第1作。 日本中をさすらい続ける永遠のヒーロー、フーテンの寅さん(渥美清)の銀幕初登場シーンは、何とネクタイ姿。 中学のときに父親と喧嘩し家出して以来、久々に故郷・葛飾柴又に帰ってきた寅さんは、 妹・さくら(倍賞千恵子)のお見合い話(お相手は名声優・広川太一郎)をぶちこわし、 また御前様(笠智衆)のお嬢さん冬子(光本幸子)と再会して一目ぼれ。 かくして寅さん、銀幕初失恋の巻。同時にさくらと博(前田吟)の結婚、彼と父親(志村喬)との和解など、 微笑ましいエピソードが披露されていく中、後のシリーズのエッセンスの多くが見事に凝縮されているのは驚くばかりである。 それにしても、この頃の寅さんは若い分喧嘩っ早くもあるが、それもまた瑞々しい限りである。

男はつらいよ・フーテンの寅男はつらいよ・フーテンの寅

お見合い騒動に沸く寅さんが、若者たちの恋のキューピットに!? 松竹喜劇作品に手腕をふるった才匠、森崎東によるシリーズ第3作。 ご存知『男はつらいよ』シリーズ第3作。今回は前2作の山田洋次から『時代屋の女房』、 『美味しんぼ』などの森崎東に監督をバトンタッチしており、 毎度おなじみのお話でも風景の切り取り方などを含めて大いにタッチが異なり、 寅さん(渥美清)以外のキャラもどこか荒々しく、新鮮な味わいで見守ることが出来る。 ストーリーは寅さんにお見合い話が持ち上がっての葛飾柴又騒動と、 後半は湯の山温泉の宿で若者たち(香山美子&河原崎健三)の恋のキューピットを演じつつ、 女将のお志津(新珠三千代)に恋焦がれていくさまが人情味豊かに描かれていく。 また今回は寅さんがいかにしてふられるかがじっくり描かれている辺りも新味であり、 さらにはふられてもどこか未練たらしい寅さんの姿が哀れを誘う。 番頭役の名脇役・左卜全の存在感も圧倒的なのであった。

新・男はつらいよ新・男はつらいよ

競馬で大儲けした寅さん、おいちゃんとおばちゃんを連れてハワイ旅行!? 労働者諸君まで巻き込んで、寅さんの新たな恋のお相手は幼稚園の先生だ! 『男はつらいよ』シリーズ第4作は、 名古屋競馬場で大穴のワゴンタイガー(=車の寅)になけなしの金をつぎ込んで見事大儲けした寅さん(渥美清)が、 葛飾柴又までタクシーでご帰還。当時の運賃は2万9,000円なり。 そしてまだハワイが夢の時代、寅さんはおいちゃん(森川信)とおばちゃん(三崎千恵子)を連れてハワイ旅行と決め込むが……。 今回の監督は、本シリーズの前身たるTVドラマの演出を担当していた小林俊一で、従来よりも柴又の人々の個性を表に出しながら、 町を挙げての騒動をドタバタチックに描いているのが大きな特徴。 後半は“とらや"に下宿する春子(栗原小巻)へ、例によって寅さんの恋幕情が繰り広げられるが、 お隣の“労働者諸君"まで巻き込んでの滑稽なデート演出なども楽しい。 また彼女の境遇がどこか寅さんと似ているという設定も心憎い。

男はつらいよ・望郷篇男はつらいよ・望郷篇

労働の尊さに気づいた寅さん、お豆腐屋さんに就職!?山田洋次監督の演出に戻ってのシリーズ第5作。 TVシリーズのレギュラー陣が勢揃い!監督が1&2作目の山田洋次に戻ってのシリーズ第5作。 以後、山田監督は全てのシリーズ演出を担うことになる。/恩人の危篤を知った寅さん(渥美清)は、 弟分の登(津坂匡章)を連れて北海道へ。そこで労働の尊さに気づいた彼は、 千葉県浦安のお豆腐屋さんに居候して油まみれになって働くのだが、例によってそこのお嬢さん・節子(長山藍子)にほのかな恋を……。 今回のマドンナ、長山藍子はかつてTVシリーズでさくらを演じており、 彼女と映画版さくら(倍賞千恵子)が対峙するシーンなど、寅さんファンにとっては別の意味でも感慨深い。 それもあってか、今回は寅さんとさくらの兄妹愛が濃厚に描かれており、改めて本シリーズの根幹を知らしめる作品となっている。 井川比佐志、杉山とく子もTVシリーズのレギュラー陣。 前半で登場するD-51など、今はなき蒸気機関車の勇姿を拝めるのも貴重だ。

男はつらいよ・純情篇男はつらいよ・純情篇

寅さん“とらや"の二階を間借りするマドンナに、いつものように一目ぼれ! 安定した笑いと人情の機微のバランスで観る者の心を和ませるシリーズ第6作。 『男はつらいよ』シリーズ第6作は、安定した笑いと人情の機微、その絶妙なバランスで観る者の心を和ませる。 長崎五島列島・福江島へ出戻る貧しい子持ち女・絹代(宮本信子)と一夜を共にすることになった寅さん(渥美清)。 ストイックな女性感を忍ばせる彼は、絹代の父・千造(森繁久彌)との親娘愛に触れるうち、故郷を懐かしんで葛飾柴又へ。 しかし、それまでの男ぶりはどこへやら、義弟・博(前田吟)の独立話をこじれさせて周囲のひんしゅくを買う彼は無責任な悪ガキそのもので。 さらには第4作同様、“とらや"の二階を間借りするマドンナ夕子(若尾文子)への恋の結末も、もはや言うまでもないのであった……!? なお、後に二代目おいちゃん役に抜擢される松村達雄が好色な医者役で出演。 また冒頭ではないものの、第2作以来の寅さんが見る夢のシーンも拝むことができる。

男はつらいよ・奮闘篇男はつらいよ・奮闘篇

シリーズ第7作は、歴代マドンナへの寅さん失恋話に花が咲く。 『学校2』の原点ともいえるシリーズ初期を代表する秀作! シリーズ第7作の『男はつらいよ』は今までと一味違う。 第2作で巡り会えた寅さん(渥美清)の実母・菊(ミヤコ蝶々)が京都から30数年ぶりに上京するも、 早速帝国ホテルにて関西弁と東京弁の親子喧嘩。 また、第1作のマドンナでもあった御前様(笠智衆)の娘・冬子(光本幸子)が再登場したり、 歴代マドンナによる寅さん失恋話を“とらや"の人々が口にするなど、前半部はちょっとしたシリーズ総括が図られているのだ。 一方、今回のマドンナ花子(榊原るみ)は軽度の知的障害者という設定で、 後の山田洋次監督の代表作の1本『学校2』にも通じる原点的内容にもなり得ている。 寅さんを慕って“とらや"に赴き、ついには彼のお嫁さんになろうかとまで言う彼女。 初めてマドンナに愛される寅さんの恋路を遮るものとは…!? ラストの切ない笑いも含め、シリーズ初期を代表する秀作である。

男はつらいよ・寅次郎恋歌男はつらいよ・寅次郎恋歌

幾多の涙を乗り越えて、迷惑以上の歓びを与えながら、今日も寅さんは旅に出る。 日本人の人情、その侘・寂を体感させるシリーズ第8作。 旅一座との交流を経て葛飾柴又に帰ってくるや、 早速周りに迷惑かけ通しの寅さん(渥美清)の耳に、妹さくら(倍賞千恵子)の歌声が悲しく響く…。 『男はつらいよ』シリーズ第8作は開巻早々どこか侘しさを帯びており、呼応するかのように今回は博(前田吟)の母が逝く。 帝釈天の横で喫茶店を開業した今回のマドンナ貴子(池内淳子)も、夫に先立たれた子連れ未亡人。 また、TVシリーズからおいちゃんを好演してきた森川信は、惜しくも本作が遺作となった。 「バカだねえ!」など、この名優ならではの切れのいい名台詞の数々が、これを最後に聞けなくなるのも寂しい限り。 しかし、寅さんは独りになった博の父(志村喬)の、そしてマドンナとその子供の寂しい心を癒す。 今や美女が現れるだけでおっかなびっくりの柴又庶民だが、寅さんは迷惑以上の歓びも実は与えている。 だからこそ、いつもとは異なる恋の結末も、観る者に深い余韻を残してくれるのだ。

男はつらいよ・柴又慕情男はつらいよ・柴又慕情

北陸で出会ったマドンナは、“寅さんの憧れの人"ファン投票第1位=吉永小百合。 切ない恋をしっとり描いたシリーズ第9作! 『男はつらいよ』シリーズ第9作は、“寅さんの憧れの人"ファン投票で1位に輝いた吉永小百合をマドンナに迎えてお届けする。 葛飾柴又の自分の部屋が貸間に出されてふくれまくりの寅さんは、さんざんみんなを嘆かせた末に“とらや"を飛び出し、北陸金沢へ。 そこで彼は旅行中の清純なOL歌子(吉永小百合)と出会う…。 今回は第2作以来久々に冒頭で寅さんの見る夢が描かれるが、この趣向は以後のシリーズのお楽しみコーナーとして定着していく。 また今回から松村達雄2代目おいちゃん役で登場。寅さんの弟分・登(津坂匡章)も第5作以来久々のお目見えとなった。 なお、今まで不定期で公開されていた本シリーズだが、今回より年に2回、お盆と正月に興行作品としてお披露目されることになった。 そして寅さんと歌子の物語は、第13作でも繰り広げられていくのである…。

男はつらいよ・私の寅さん男はつらいよ・私の寅さん

何と今回、“とらや"の人々が旅に出て寅さんがお留守番!? 観る者の予想を裏切り続ける展開の妙、粋なシリーズ第12作。 おいちゃんが帝釈天のおみくじで凶を引くと同時に、寅さん(渥美清)が葛飾柴又にご帰郷。 案の定、おいちゃん夫婦(松村達雄&三崎千恵子)とさくらの家族(倍賞千恵子&前田吟&中村はやと)は明日九州旅行へ繰り出す予定であった・・・・・・。 今回は“とらや"の人々が旅をして寅さんがお留守番という、いつもと逆転した構図で始まり、 当時まだ料金が高い長距離電話を用いておいちゃんと口喧嘩するなど、寅さんの寂しさ転じてのワガママと人情が炸裂する。 後半は例によってマドンナ登場。旧友(前田武彦)の妹で、 寅さんのことをクマかカバと呼ぶ貧乏画家のりつ子(岸恵子)のさばさばした性格に、 いつしか彼はパトロンと化していく!?その後も微妙に観る者の予想を裏切り続ける展開の妙が粋なシリーズ第12作。 私もあなたもみんながほおっておけない寅さんの恋の行方や、いかに?

男はつらいよ・寅次郎相合い傘男はつらいよ・寅次郎相合い傘

気ままな自由を寂しさがないまぜの相合い傘、素直になれない寅さんの恋の行方は? 運命のマドンナ、懐かしのリリーが再び登場するシリーズ第15作! シリーズ第15作は、第11作のマドンナであり、寅さん(渥美清)にとって運命のヒロインでもあるリリー(浅丘ルリ子)が再び登場。 珍しく寅さんの帰省が遅い葛飾柴又の“とらや"を、あの懐かしいリリーが訪れた。 すし屋の亭主と離婚した彼女は再び旅から旅の歌手として全国を渡り歩いている。 一方、寅さんは家出した中年男“パパ"(船越英二)と奇妙な道中を続けていたが…。 シリーズ屈指の傑作と名高い本作は、寅さんとリリーの再会を中心に、パパの初恋慕情譚など充実した内容。 冒頭の夢からして、寅さんファミリーを総動員させての海賊超大作“パイレーツ・オブ・トラビアン"(?)が繰り広げられるのもお楽しみ。 そして寅さんとリリー、二人の恋の行方は最後の最後まで切なくスリリングで、一瞬たりとも目が離せない!

男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け

悲嘆にくれる訳ありな女性をみると、放っておけない寅さんの面目躍如! 2008年世界8大都市で上映される大傑作のシリーズ第17作! シリーズ第17作は、実に盛り沢山な内容だ。冒頭恒例の夢は何と『JAWS』もどきのホラー・パニック編。 満男(中村はやと)の入学式では、寅さん(渥美清)の名前が出た途端に子供たちが大笑いしたとかで、“とらや"の人々の面子は丸つぶれ。 その寅さん、奇妙なルンペンじいさん(宇野重吉)を“とらや"に連れてきたところ、ぞんざいな振舞いの数々。 果たして彼の正体は?そして後半は、いよいよ始まる寅さんの恋物語。 金銭トラブルに巻き込まれた芸者ぼたん(太地喜和子)のために人肌脱ごうとする寅さんの侠気が何ともかっこいい!? なお本作はシリーズ40周年、「川喜多かしこ生誕100年記念」として、2008年夏よりニューヨーク、パリ、ロンドンなど世界8大都市を巡回上映。 これぞ世紀を越えて、寅さんの大いなる心の旅を世界へ示す傑作である!

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