制作・出演 : エリー・アーメリング
シューベルトが女声のために書いた曲だけを集めたアーメリングのオリジナル・アルバム。楚々とした清潔な歌声と、詩へのきめ細かな感情移入がバランスよく絡みあった絶妙の歌唱を聴かせてくれる。新しいリマスターによって声に生々しさが加わったのも嬉しい。
筆者がアメリングに知らず知らずのうちに勝手に求めているのは、静けさ、安らぎ、祈り、慈愛といったもの(この他愛のなさ!)。それらがミューズの深い息吹と共に聞こえてくる時が最高の幸せ。このCDでもいくつもの幸せな瞬間を味わった。さて、あなたは?。
清楚というか、品がいいというか、アメリングの歌はいつ聞いても安心していられる。このアルバムがまた16世紀のダウランドから20世紀の我が中田喜直まで、各国語で歌いまくっている。しかし、「まくる」という感じでないところがアメリングらしい。
ラヴェル、デュパルク、ドビュッシーと近代フランス歌曲の3大作曲家の作品を並べているが、アメリングの巧さはさすがだ。ワールトと、初顔合せによるサンフランシスコso.による伴奏も美しい。
アナログの録音をフィリップスご自慢の24ビット・デジタル・マスタリングでマスタリングし直したもののCD化。同じ音源のほかのCDと聴き比べると、確かに、音がみずみずしく、伸びがある。アメリングのチャーミングな声にピッタリだ。
制作・出演
J.S.バッハ / エリー・アーメリング / コレギウム・アウレウム合唱団 / コレギウム・アウレウム合奏団 / ジェラルド・イングリッシュ / ジークムント・ニムスゲルン / ラインハルト・ペータースアーメリングが心身ともに充実していた頃に録音された珠玉の歌曲集。寄せ集めではなく、シューベルトのリートによる彼女のリサイタルを聴く、という趣向のオリジナル・アルバム。清楚な声でしみじみと歌われる曲の数々に時のたつのも忘れそうである。
アメリングの小唄集(歌曲集とはあえて言いません)。彼女にはこういうものがまさにうってつけだ。日本人の“心の歌”のようになっている曲も多い。心臓全体をマッサージしてもらってるみたいに心がほぐれてくる。無伴奏の(17)はご愛敬。(4)のvcソロもよし。