制作・出演 : エヴァ・ポブウォツカ
“不滅の名曲”などという大それたシロモノではないけれど、リリカルでインティメイトな雰囲気が、“自分だけの名曲”的な安らいだ親しみやすさを感じさせる。グリーグのピアノ曲はその典型。飾り気のないポブウォッカの演奏が、その魅力を素直に伝える。
世界的にも評価の高いジョン・フィールドのノクターン全集では、その深い叙情性を聴かせてくれた彼女。このグリーグでも同様に詩情あふれる繊細な彼女の魅力が堪能できる。透明感がありながら色彩感豊かなタッチは絶品。ピアノ好きには好適のアルバムだ。
それぞれが短いものばかりとはいえ、グリーグが40年近くにわたって書き綴った全10集66曲にも及ぶ「抒情小曲集」の全曲録音企画の第1弾。ポブウォッカの正攻法なアプローチは、単調さにも演出過剰にも陥ることなく、作品に流れる感情の襞を描くことに成功している。
ポーランドの名ピアニスト、エヴァ・ポブウォツカのショパン名曲集。血となり肉となっている音楽を堂々と奏でる彼女の演奏には説得力がある。繊細さだけでなく、強い表現も充実している。選曲も有名な作品が多く、初心者にもおすすめ。
ポブウォッカは明快でスケールの大きな演奏で知られるが、このディスクもそう。表現力豊かなパヌフニク、ピアノが大活躍するルトスワフスキ、世界初録音でもあるシマンスキ(1954年生まれ)の曲は新旧の作曲技法をとりまぜたわかりよいもの。
ポブウォツカはポーランド出身で、1980年のショパン・コンクールで第5位に入賞したピアニスト。ショパンのソナタ全3曲を収めたこのディスクに聴く彼女の演奏は、音楽的な推進力が強く、パワフルで情緒豊かだが、一方、構成面の確かさも印象づける。
ポーランド・ショパン協会認定のショパン・ピアノ全集中のアルバム。いくつかの国際コンクール入賞歴をもつポブウォッカは、高度な集中力をもって、求心性の鋭い演奏を聴かせている。彼女の弾くノクターンには1曲ごとのドラマが浮き彫りにされている。
箱根の彫刻の森を散歩しているようなさわやかな感動を届けたいというアルバムだ。各曲の解説と共に、緑色の芝生と青空を背景にした彫刻の写真も載っている。ピアノ曲やSQ、大きくても室内オケ程度の小編成の曲が集められていて全体にしっとりとした感じだ。
ポーランドの女性ピアニスト、ポブウォツカは、珠玉の小品集とも言えるこの3つの曲集について、細部に至るまで入念に練りあげた演奏を聴かせている。とくに音の粒立ちの良さ、陰影に富む表情は印象的であり、各曲の各場面を魅力的に形作っている。