制作・出演 : ハインツ・レーグナー
発売元
キングレコード株式会社レーグナーのバランス感覚が見事に活かされていて、その深いスコアの読みは踊りのための音楽というより、ドラマティックな物語として構築されている。ベルリン放響の高い合奏能力をフルに発揮させた録音だ。
オペラ指揮者としても実績があるだけに、このバレエ作品でも、ドラマの構築に優れた手腕を発揮している。洗練された美しい響きを引き出しつつも、決して華美にはならないところがレーグナーらしい。
ヤナーチェクの土臭さといった民族性は若干希薄ではあるが、独特の語法は明確に眼前に広がっている。レーグナーの高度な職人技が、しっかりと息づいており、とりわけ「シンフォニエッタ」は素晴らしい。
20年間首席指揮者を務めたベルリン放響との代表的な録音のひとつ。速めのテンポ、アクセントや間合い、旋律のうたわせ方など独自の個性が光るブルックナーで、質実剛健ないかにもドイツ風といった響きを聴かせている。
制作・出演
ハインツ・レーグナー / ハラルド・ヴィンクラー / ベルリン放送交響楽団 / ベルリン放送女声合唱団 / ベルリン放送少年少女合唱団 / マーラー / ラトヴィガ・ラッペ / ルートヴィヒ・ギュトラー発売元
キングレコード株式会社レーグナーの個性が光る演奏として、ブルックナー以上にファンの間では話題となった一枚。ロマンティックに過ぎず、誠実な取り組みをしているが、端々にレーグナー独特の音楽作りが光っている。
ワーグナー19歳の時の唯一の交響曲と、それから約40年後の「ジークフリート牧歌」との興味深い組み合わせ。交響曲はあまり聴く機会のない作品だが、上質な演奏を聴かせている。
レーグナーの第4番。質実ながらも剛健というよりは柔らかく包み込むようなサウンドを作り上げている。彼のブルックナー交響曲全集のなかでも人気の高い演奏で、アイディアに満ちていながら正統派のブルックナーだ。
レーグナーの唯一となるブルックナー交響曲全集からの1枚。速めのテンポできびきびと推進力のあるブルックナーを聴かせている。しかし、せかせかしたところは微塵もなく堂々としたスケール感に満ちている。
“読響”の常任も務めていた旧東ドイツの名指揮者レーグナーの好盤。振幅の大きな官能的なワーグナーではないが、簡潔ながらもじわりと浸透度の高い演奏だ。R.シュトラウスの「ばらの騎士」のワルツも佳演。
演奏も選曲も渋くて通好みというイメージのある“ドイツ・シャルプラッテン”レーベル。だが、内容のある充実した演奏が多く、クラシックを素直な気持ちで楽しみたい人にはうってつけ。ディッタースドルフとフランセを加えた選曲は、ハープの魅力を聴かせる心憎いもの。
発売元
キングレコード株式会社イタリアとドイツのバロック期のトランペット協奏曲を集めた楽しいアルバム。朗々とよく歌う、ギュトラーのトランペットが聴きものだ。レーグナーの抑制の効いた伴奏も、バロックの様式感を上手く引き出している。
保守的なスタイルを貫きながら、音楽を雄々しく響かせてゆくレーグナー。今回のリマスタリングによって、その旧東独的な質実剛健さが一段と明確となった印象だ。特に「アテネの廃墟」などのマイナーな作品において、彼の手腕がひときわ冴えている。
ドイツの指揮者とオケがやったフランスの作品かあ。なんてバカにしちゃいけない。確かにフランス勢による演奏ほど華麗じゃないが、これはレーグナーの譜読みのシャープさと音色センスの良さが光る逸品だ。ことに木管と打楽器の生かし方が美しい。★
レーグナー&シュターツカペレ・ドレスデンの70年代の録音。この「ハンガリー舞曲集」は、速めのテンポですすめられ、ハンガリーやジプシーの民族色はほとんど感じられない。その純音楽的解釈は旧・東ドイツらしいといえるだろう。