制作・出演 : ハイ島公二
アニメ『千と千尋の神隠し』の主題歌「いつも何度でも」の作者、詩人の覚和歌子が、新垣の思いを詩にした「うたになりたい」と「今日しか知らない」が、やっぱり聴きどころでしょうね。新垣もいくぶん抑え気味にうたっているのが、いい効果を出している。また新たな感動を得られる歌が加わった。
全盲と天涯孤独を乗り越え、“オンリー・ワンの人生を”をテーマに演奏活動を続けているテノール歌手、新垣勉の集大成的な5枚組BOX。心に沁み渡る天性の美声が迫ってくる。
2007年12月放映のドラマ『まだ見ぬ父へ、母へ〜全盲のテノール歌手・新垣勉の軌跡』のサントラ。ベスト盤的な内容ながら既発は4曲のみで8曲が新録音、バックの室内オケの編曲も丁寧で質の高いつくり。過度に歌い上げることのない、温かで素朴な歌唱が心に染みる。
お手本はグラッペリ&メニューインのスタンダード・アルバム。しかしこの二人の場合、同門だけあって、二人とも根っこが共通、しかもスウィンギー。鷺巣詩郎のアレンジも文句なくいい。「誰も寝てはならぬ」が元ネタの(8)など鳥肌モノ。生音っぽい録音もグッド。★
つくづく、歌手とは“依代(よりしろ)”なのだ。歌の背後にある(あるいは、実はない)さまざまなものが彼の歌唱から浮かび上がってくる瞬間を、どう録音という手段ですくい取るか。その試行錯誤が生んだ、驚くべき密度と、いくつもの得難い瞬間。(1)(3)(11)はスペシャル級。★
2004年2月20日、日本武道館でのチャリティー・コンサートの模様を収めたライヴ盤。テノールにしては深く落ち着きがあり、しかもラテン的な明るさと力強さを兼ね備えた新垣勉の歌唱の魅力をオーケストラ伴奏で豪華に味わえる。名曲アルバムとしても充実。
新垣勉がイタリア古典歌曲から「TSUNAMI」や「島唄」まで幅広いジャンルの歌を熱唱している。新垣の素朴で伸びやかな歌唱は聴く者の心を温かくしてくれる。どの曲もクラシカルにアレンジされていて、オケにはソリストや著名コンマスも参加している。