制作・出演 : 八代目
ききたい落語家シリーズ 3ききたい落語家シリーズ 3
酒飲みであった可楽ならではの「親子酒」の酔った演技が妙にリアルであるのがおかしい。遊廓を知らない世代にとっては、ちょいとうれしい「文遣い」だが、さしずめ女郎にカモにされる角蔵にでもなれたらと思ってしまう。もわ〜とした口調が特徴の人。
落語名演集 富久落語名演集 富久
「富久」は昭和35年、「船徳」は昭和42年に東京放送で録音されたもの。晩年のかっちり、ゆったりした口調に比べ、「富久」は意外にも軽快なテンポである。脂の乗った時期ならではの色香がある。これに対して落ちついた雰囲気の出た頃の「船徳」である。
八代目 三笑亭可楽名演集 一八代目 三笑亭可楽名演集 一
三笑亭可楽の落語に、どうもなじめなかった。子供の頃の話だ。渋さなんていうものが理解できるようになってから、この人の芸が少しずつ面白くなった。もっとも、今だってどこまで“渋さ”がわかっているかは……。それはさておき「うどんや」「反魂香」などは、この人でなければ、と思う。「らくだ」は迷うなあ。志ん生もあるし。それにしても不思議な味を持った落語家だった。
八代目 桂文楽名演集 一八代目 桂文楽名演集 一
ひとつの噺を高座にかけるまで、三年以上もかけたという。ノートにきっちりとストーリーを書き、添削を重ね、ようやくあの格調高い“文楽の芸”が完成したのだ。いわば、完成品のみを提供し続けたわけだ。その結果が29席の持ちネタとなった。やはり、なんといっても『明烏』だろう。文楽をしのぐ『明烏』は、まず当分あれわれないと思う。それくらい完成された、至極の芸なのだ。