制作・出演 : 大萩康司
ハバナハバナ
“ギターの詩人”などと勝手に呼んでいたが、今回のアルバムでそれを変えなければならなくなった。「クラシック・ギターにトロピカル・タッチを加えた」という批評はまさに名言。でもこれだけ豊かな才能があるのだから、いずれ過去の名品も演奏してほしい。
島へ島へ
ギターの音を自分の肉声と意識した時に、出自たる日本のソノリティとどう響きあうのか。しかつめらしく思い募るのではなく、島へ、と想像を膨らませて、とりどりの同時代の作品に感性を働かせた清新なアルバム。情緒に滑らない構えのガシリとした好演である。
ブルーブルー
エコールノルマルへの入学を機にパリに移住して6年。おそらくは人間的にも大きな成長過程にある大萩康司の、さわやかな意識が伝わってくるような好演奏。深く響くそのギターの音色と抜群の技術に表現の深みが加わっていくさまは、演奏曲の理解度にはっきりと感じられる。