制作・出演 : 大萩康司
ハバナ ライヴ 2005ハバナ ライヴ 2005
最初の一音からしっとりと湿度を孕んで光と陰を明滅させる濃密な時間に引き込まれる。タメがココロにしみわたり、ノリがぴたり情動をたきつける。所は本場ハバナ。その耳の肥えた聴衆を、ブラヴォ、ぐいと乗せきってしまう大萩。冴えてしみじみ絶品ライヴ。★
ハバナハバナ
“ギターの詩人”などと勝手に呼んでいたが、今回のアルバムでそれを変えなければならなくなった。「クラシック・ギターにトロピカル・タッチを加えた」という批評はまさに名言。でもこれだけ豊かな才能があるのだから、いずれ過去の名品も演奏してほしい。
島へ島へ
ギターの音を自分の肉声と意識した時に、出自たる日本のソノリティとどう響きあうのか。しかつめらしく思い募るのではなく、島へ、と想像を膨らませて、とりどりの同時代の作品に感性を働かせた清新なアルバム。情緒に滑らない構えのガシリとした好演である。
ブルーブルー
エコールノルマルへの入学を機にパリに移住して6年。おそらくは人間的にも大きな成長過程にある大萩康司の、さわやかな意識が伝わってくるような好演奏。深く響くそのギターの音色と抜群の技術に表現の深みが加わっていくさまは、演奏曲の理解度にはっきりと感じられる。