音楽むすび | 制作・出演 : 大黒摩季

80年代から続く今風イケイケを内包した“元気印系”の女性ヴォーカリストの王道をいくのがこの大黒摩季だろう。歌い上げる開放感と快感とを心得たフレーズの作りが、シンガー・ソングライターならではの単純明解さをもって登場するのが魅力なんだと確認。

最近はライヴ活動に精力的なようだが、常にチャート1位に君臨してきたアーティストならではのカリスマ性は失われていない。今の自分から一歩踏み出せない人でも彼女の歌を聴けば勇気が出るんじゃないかな。もしくはクルマでカッ飛ぶ時のBGMに。

大黒摩季というと、ビートのあるマイナー調のメロディをパワフルに歌うヴォーカリストというイメージが強いが、このアルバムでは、そうではない明るくさわやかなメジャー調のかわいい曲やバラードもあり、新たな世界を垣間見ることができる。

ビッグ・ヒット2曲を収めた4作目のアルバム。ミディアム・バラードで幕を開けたら、ダンサブルなサウンドとリアリティに満ちた摩季ワールドへ。グッとくるような品のなさが魅力のブラック・ミュージックの、日本的な展開を極めているよな。これって。

約1年ぶり、ヒット曲満載の4作目。マドンナやH.ヒューストンを手がけたスティーヴ・ペックが、ミックスを手がけた曲のシャープなサウンドが印象的。リアルな詞とポップな曲、下世話なまでにキャッチーなアレンジ、押しの強い声。これは売れるわ。

少しだけ地味になった気がしますが、早くも本格派シンガーへの転身を狙ってるのか? 「いつまでもイケイケじゃやだー」とか、スタッフの前でつい口がすべったのか。まだ若いんだし、あせって大人の歌手の仲間入りしたって上がつかえてるよ、と言ってやりたい。