制作・出演 : 宮沢明子
モーツァルト・ピアノ・ソナタ全集5モーツァルト・ピアノ・ソナタ全集5
一音一音を大切にし、そこに音楽を吹き込んでいくタイプの宮沢明子にはこうした方向性がぴったりだと思う。(多分)お気に入りのベーゼンドルファーの少しくぐもった音色が、そこに深みを加える。ピアノへの愛情が伝わってくるアルバムだ。
モーツァルト・アンコールモーツァルト・アンコール
宮沢明子の“モーツァルト”、今あらためて聴きなおしてみると、小品だからこそかもしれないが、やわらかくて、かろやかで、のびやかでロマンティックで、これがなかなかに素敵。音楽の流れが自然で、理屈っぽくないから、誰にも聴きやすい演奏。
ショパン:夜想曲選集ショパン:夜想曲選集
宮沢明子の70年代前半の録音。たしか“実力派”として大いに売り出しをかけていた頃のものだと思う。彼女の演奏は非常に透明度が高く、ここに聴くショパンのノクターンでも決してムードに溺れることがない。今でも十分に通用する内容のアルバムだ。
ショパン・アルバムショパン・アルバム
このアルバムは入間市民会館のホールで録音したということだが、響きがやや少なめで狭いスタジオで録音したような感じだ。演奏はロマンティックな宮沢明子らしく濃やかで女性的。弱音が美しいが全体に線が細くもう一歩深い音色と大きな音楽づくりが欲しい。
ベートーヴェン・リサイタルベートーヴェン・リサイタル
しっかりとしたテクニックと構築性に裏打ちされた自信。それが没個性になりがちな表現に面白さを添える。74年10月、東京での録音である。通常よりやや速めのテンポは良い意味での緊張感を醸しだし、特に(2)(3)の小品を個性的に聴かせる。