制作・出演 : 寺井尚子
寺井尚子のEMI通算8枚目はスタンダード・ナンバー集。寺井はこれまでオリジナル曲も収録してきたが、全曲スタンダードは初めて。ボーナス・トラックのTV関連の2曲はオリジナルだ。「枯葉」や「レフト・アローン」のような大有名曲における解釈と演奏に、熟達した寺井の奥深い魅力を知る。
2008年にレコード・デビュー10周年を迎えたジャズ・ヴァイオリンのパイオニアが、レギュラー・カルテットとヨーロピアン・テイストのナンバーを優雅に演奏。ゆったりとしたテンポでのびやかに歌うヴァイオリン。その艶やかでふくよかな音色が極上の時間を約束する。
日本を代表するジャズ・ヴァイオリニストとして充実の活動を続ける寺井尚子。「アマポーラ」「マイ・フェイヴァリット・シングス」といった一般にも認知度の高い楽曲を、楽器特有のしなやかさを活かし奏でていく。
ヴァイオリンでジャズを演奏するのは難しい。寺井はジャズ以外のところからレパートリーを持ってくることで、その難題を見事に解決させた。その最たる例がタンゴが出典の表題曲だ。こういう曲を演奏しても本格的なジャズにしてしまうところが見事。
人気No.1ジャズ・ヴァイオリニストの2006年2月発表のアルバム。官能的なタンゴ調の「ラ・クンパルシータ」から軽快なフュージョン・ナンバー「バードランド」まで、幅広いスタイルを網羅した彼女らしい作風。クインテットの密な演奏も聴きどころ。
ジャズの枠を超えたレパートリーがヴァイオリンの音色に溶け合う。親しみやすいメロディにどこかノスタルジックな響きが重なる。寺井はこの作品によって、これまで以上に自分のスタイルと方向性を磐石なものにした。多くのひとにアピールできる快作。
美貌の人気ジャズ・ヴァイオリニストが、98年のデビュー作から2001年にリリースした5枚目までのアルバムから、本人のペンによるオリジナル曲だけを編んだベスト。クラシックで磨き上げた確かなテクニックを武器に、歌心あふれる優美なジャズで酔わせる。
線の太さと潤いが魅力のヴァイオリンの響きとともに、バンドの一体感が素晴らしい7作目。寺井のソロがエモーショナルかつスリリングな(2)、疾走感あふれるアンサンブルが楽しい(4)、スタイリッシュな(9)、テーマ部で原曲が備える美しさを抽出している(10)などがいい。
東芝EMIへ移籍してさらなる飛躍を遂げたジャズ・ヴァイオリン奏者、寺井尚子のビデオアーツ時代のベスト盤。4枚のアルバムから選曲。ミシェル・ルグラン作(12)のみ未発表曲。彼女のテクニックと表現力の高さをあらためて実感する。オリジナル曲も聴きものだ。
人気急上昇中の女性ヴァイオリン奏者、寺井尚子のセカンド。新しいバンドのメンバーとともに、ジャズ・ヴァイオリンの新しい魅力を聴かせてくれている。なんと宇多田ヒカルの「ファースト・ラヴ」をジャズにアレンジして演奏していて、これがまた泣かせる。