確かに、うまい。オーソドックスに歌いあげているのだが、それでいて堅苦しくなるわけではない。あくまでも、“岸洋子の歌”に仕上げて聴かせてくれる。曲を解釈する力は群を抜いている。そして表現力と説得力の豊かさ。この8枚組ボックスはシングル・コレクションで全110曲。デビュー曲「たわむれないで」から本作リリース時(91年)における最新曲「愛を歌って」まで、その圧倒的なヴォリュームにただ聴きほれる。