制作・出演 : 松本和将
ここにはキャラクターピースや、ロマン派中期から勃興するナショナリズムと呼応する民族主義的作品などの小品を収録している。ロマン主義音楽の何たるかが感覚的に、何となくわかるようになっている。松本は模範演奏の域を脱してなかなか聴かせる。なお、全音楽譜出版社から楽譜が出ている。
ソロや室内楽アルバムで非凡な才能をみせている、松本和将の後期ロマン派名曲集シリーズの2枚目。ピアノ音楽が花開いた後期ロマン派に活躍した作曲家の作品を集め、松本の優れたテクニックと細やかな表現力が堪能できる一枚。
2005年のミュンヘン・コンクール優勝で世界へのステップに弾みがついた彼女。デュプレが果たせなかったモーツァルトのチェロ協奏曲(原曲はフルート)録音に挑戦し、彼女らしい伸びやかでスケールの大きい演奏で成功。フランクのソナタは一転して叙情的にしっとりと。
ビクターで録音を続けている若手二人の組み合わせ、という安易な企画なのだが、これが名コンビとなった。スケールは大きいが暴れ馬のチョウ・チン、叙情的で繊細だが時に内向的な松本。互いの弱点を補い合いながら、演奏に広がりと奥行きが生まれた。今後も楽しみ。
叙情的な作風によって知られる作曲家吉松隆の「プレイアデス舞曲集」を軸に、プーランクやラモーの小品を新進気鋭のピアニスト松本和将が演奏した珠玉の曲集。澄み切った空気を感じさせるクリスタルな音色は、疲れた心を癒す薫風のように心地よく清々しい。
すでに5枚のソロ・アルバムを発表して叙情派ピアニストのイメージを持っている彼。このコンクールでは惜しくも5位入賞に止まったが、彼のアグレッシヴなまでに情熱的な側面が聴けるライヴだ。思いの深いラフマニノフは確かな聴き応え。モーツァルトも上手い。
すでに演奏家として認知されているけれど、2003年にエリザベート・コンクールに挑戦し、見事5位入賞を果たした彼。自らに妥協を許さない演奏姿勢は、アルバムごとに彼の成長を促しているようだ。叙情的で繊細な感性はそのままに、ゆるがぬ自信が身についてきた。
大曲「展覧会の絵」をグリーグの抒情小曲集で挟んだ、という心憎いまでのセンスの良さ。こんなにも叙情的な「展覧会〜」を聴いたのは始めて。それでいてナヨナヨしていないのが、松本和将の大きな魅力だ。豊かな感性によって紡ぎだされる、美しいひとときだ。