制作・出演 : 矢野真紀
『誰も知らない泣ける歌』で紹介された「窓」を含むライヴ・アルバム。ピアノとアコギのみによる的を射たサポートのおかげで、安心して歌の世界に浸ることができる(「ケサラ」には風味堂の渡和久が参加)。音楽に対する真摯な姿勢が伝わってくる感動と感涙の一枚。
寺岡呼人をプロデューサーに迎え、寺岡をはじめ仲井戸麗市、さだまさしなど他人の手による曲のみを歌ったミニ・アルバム。人生の深さを感じさせる曲が並び、矢野はスケール豊かな歌唱で見事に歌いこなしている。特に仲井戸作のブルース・ロック的な曲が相性ぴったり。
2〜5枚目から選曲されているが、ベスト盤というよりも矢野真紀の入門編として企画されたアルバム。エキセントリックなロック・サウンドでアプローチした亀田誠治プロデュースの前半から一転、寺岡呼人・藤井謙二提供の後半は温かみを感じさせる楽曲が並ぶ。
楽曲の出来に関わらず、ただ“矢野真紀のうた”というだけで、一気に聴かせてしまう希有な歌い手だが、このマキシも一点の曇りもなく“矢野真紀のうた”、すなわち名曲。2曲とも5分以上の楽曲だが、聴き終わって残るのは「もっと聴いていたい」という飢餓感だ。
証券会社のCMで五つの赤い風船の「遠い世界に」が流れている女性シンガー・ソングライターの6作目のアルバム。ミュージシャンや音楽制作スタッフに支持者が多い実力派であり、このアルバムも聴くほどにジワジワとその魅力が伝わってくるスルメ系だ。
フォーク・グループ、五つの赤い風船による69年のヒット曲カヴァーとなる(1)は、三井住友銀行グループの企業CMで話題に。自身で作詞・作曲を手がけているシブく骨太な(2)とともにヴォーカルの表現力は圧巻で、詞世界が目の前に浮かび上がってくる。
レーベル移籍第1弾のシングル。プロデュースはここ数作の寺岡呼人ではなく彼女自身になり、曲作りも広沢タダシとの共作で、新機軸を打ち出している。アコギのざっくりしたストロークによるビートと、彼女のイキイキとしたヴォーカルがよく合い、開放感あふれる曲だ。