制作・出演 : 菊地裕介
日本を代表する世界的アーティストの名盤がごっそり集結! まさに究極! 邦人演奏家・オーケストラを主体とした“ベスト100”シリーズ。本作は、菊地裕介(ピアノ)の演奏による、 ベートーヴェンの3大ピアノ・ソナタといわれる第8番≪悲愴≫、第14番≪月光≫、第23番≪熱情≫を収録したアルバム(2010年録音)。 <収録内容> 1. ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13 ≪悲愴≫ 第1楽章:Grave-Allegro di molto e con brio 2. ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13 ≪悲愴≫ 第2楽章:Adagio cantabile 3. ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13 ≪悲愴≫ 第3楽章:Rondo.Allegro 4. ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 ≪月光≫ 第1楽章:Adagio sostenuto 5. ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 ≪月光≫ 第2楽章:Allegretto 6. ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 ≪月光≫ 第3楽章:Presto agitato 7. ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 作品57 ≪熱情≫ 第1楽章:Allegro assai 8. ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 作品57 ≪熱情≫ 第2楽章:Andante con moto 9. ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 作品57 ≪熱情≫ 第3楽章:Allegro ma non troppo
菊地のベートーヴェン・シリーズの2枚目。今回は、初期のソナタ集だ。初期とはいえ、その一曲一曲は実験精神に貫かれている。菊地の目指すところもその進取の気象に富んでいることの表出のようで、明瞭なタッチ、明確なリズムやダイナミズムなど、新鮮なベートーヴェン像を打ち立てている。★
作品解釈にも多くの選択肢があるが、その一つは、あまりこね回さず率直に譜面を音にすることだろう。もちろんそれは熟考・試行の結果としてだが、菊地の演奏にはそうしたある種の潔さがあり、大いに共感できる。続編が楽しみなソナタ全集のスタート。
18歳である。桐朋高校の3年生である。その歳にしてCDデビュー。そういうことがいいのか悪いのかよく分からないが、確かに巧い。そして“恐れを知らぬ”という颯爽たる若武者ぶりが気持ちいい。またピアノの菊池裕介のサポートも花を添える。