音楽むすび | 制作・出演 : 金蓮子

キム・ヨンジャの7年間の軌跡、全16曲。クセのない歌い方が逆に、演歌の本流の味を感じさせ、最後までスンナリと聴いてしまう。ここまでまとまってしまうとかえって、もう少し臭味が欲しくなるのは聴き手のわがままだろうか。とはいえ安心して楽しめる人だ。

世界的な大オーケストラをバックに録音されたアルバム。演歌ではなく各国のポップスを堂々たる歌唱力で歌い切っている。「アドーロ」の韓国語歌詞やホイットニー顔負けの「ボディガードのテーマ」など珍しい歌もあり楽しめる。なかでも「荒城の月」の意表をつく美しさは素晴らしい。

60年代に大ヒットした(9)をはじめ(1)(2)(3)(14)などのスタンダードから90年代の佳作まで全14曲を収めた韓国歌謡のベスト。「演歌の源流は朝鮮半島にあり」といわれるけれど、原語に日本語をまじえたキム・ヨンジャの好唱は、それを素直に納得させるだけの説得力がある。