マーラー:さすらう若人の歌/交響曲第1番ニ長調「巨人」
テンシュテット/『巨人』『さすらう若者の歌』テンシュテット指揮によるマーラー『巨人』が登場。なんといってもこの指揮者の十八番であり、これまでセッション録音(1977年、ロンドン・フィル)とライヴ録音(1990年、シカゴ響)の2種がありましたが、今回は手兵ロンドン・フィルとの実演レコーディング、しかもこれが初登場となります。
1985年といえば、テンシュテットが喉頭癌を発病した年でもあります。この『巨人』のコンサートの8ヵ月後、アメリカ演奏旅行中のテンシュテットは喉に違和感を訴え、病院で診察を受けると喉頭癌であることが判明、その後入退院を繰り返し、小康状態にある時はつかの間の復帰を果たしたものの、残念ながら「奇跡の復活」はならず、1998年1月12日、テンシュテットは北ドイツのキールの自宅で静かに世を去ることとなります。71歳の生涯でした。
今回のアルバムに収録された『巨人』は、癌告知前、テンシュテットがまだまだ元気だった頃のライヴで、かの第九より7ヶ月前ということもあって、爆発的な盛り上がりを見せる演奏が期待されます。 カップリングは、『巨人』と使用動機などで密接に関連する歌曲集『さすらう若者の歌』。バリトン独唱は、前年の1990年2月にバーンスタイン&ウィーン・フィルと共演してこの歌曲集を歌っていたトマス・ハンプソン。2年連続での強烈なマーラー指揮者との共演ということになります。なお、テンシュテットはこの作品のセッション録音を残していないため、今回のリリースは、大変に有意義なものといえるでしょう。
当時の新聞評も好評で、デイリー・テレグラフ紙は、「オーケストラは、美しい集中力を発揮して、マーラーの『さすらう若者の歌』を伴奏していた。」と指揮者とオケを絶賛、一方、ザ・タイムズ紙は、「トーマス・ハンプソンは、いたるところで印象的に長いラインを引き伸ばしていた。うらやましいほど多彩な色彩感を歌の間や中から紡ぎ出していた。」とハンプソンの歌唱を絶賛しています。・マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・テンシュテット(指揮)
録音時期:1985年2月12日(ライヴ)
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール・マーラー:歌曲集『さすらう若者の歌』
トマス・ハンプソン(Br)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・テンシュテット(指揮)
録音時期:1991年9月26日(ライヴ)
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
Disc1
1 : Lieder eines fahrenden Gesellen
2 : Lieder eines fahrenden Gesellen
3 : Lieder eines fahrenden Gesellen
4 : Lieder eines fahrenden Gesellen
5 : Symphony no 1 in D major "Titan"
6 : Symphony no 1 in D major "Titan"
7 : Symphony no 1 in D major "Titan"
8 : Symphony no 1 in D major "Titan"
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