モーツァルト:歌劇「ドン・ジョ
アーノンクールはいつも興味深い演奏で聴き手を感動、あるいは驚かせてくれるが、今回は普通の演奏で感動させてくれる。歌唱も伴奏もひじょうにすっきりしており、しかもていねいである。ひと言でいえば、垢と贅肉を落とした均質な演奏だ。新スタンダード。
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グラーツのスティリアルテ音楽祭でのライヴ録音によるアーノンクールのベートーヴェン全集。オケはヨーロッパ室内o.。基本的にはいつもの勇ましいスタイルで「田園」以外はやっている。この6番と3番が、どうも音楽的に不自然でなじめなかったが、あとの曲は彼の方法論の範囲では成功している。金管・打楽器の強調や、超メリハリも毎度おなじみ。ただしsfの扱いのうまさはあまり例がない。「第9」のテノールソロはブッファっぽくて笑わす。また、どんなエディションを使ったのか疑問を生じる点も少しある。 1997/06/10 発売
ハイドン:交響曲第93番ニ長調ハイドン:交響曲第93番ニ長調
ホグウッドたちとはあらゆる意味で好対象となるアーノンクールのハイドン。《ザロモン・セット》が、セットになった。イギリスと大陸側の両方の特質を作品にうまく反映させて“両陣営”から高く評価されていたハイドンだけに、こんなにまとめて聴けるのはうれしい。 1997/06/10 発売