Long Good-bye
浅川マキの追悼記念ベスト。ディスク1は入門編、ディスク2は中級〜上級者向け。音源は70年代から90年代までと幅があるが、その歌世界にまったくブレがない。サウンドの変化は多少あるが、核にあるものは不変。これは“浅川マキ”というジャンル。こんな人は、もう出ないだろう。
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92年大晦日の文芸座ル・ピリエでのライヴ録音に94年のスタジオ新録を加えた1枚。(3)(6)などのジャズのスタンダード、シャンソンの(8)など、彼女自身の翻案詞の楽曲がオリジナル以上にリアル。ジャズのサウンドを装飾でなく身にまとえる希有の存在だ。 1994/12/21 発売
初期(60年代)から本作リリース時(95年)までの作品集シリーズの第1集で、ジャズ・ヴァージョンの初期作品がこれ。ここには60年代末に新宿の街を徘徊し、蠍座へと階段を降りていくことでしか体験できなかったぐっと重厚な浅川マキ・ブルース・ワールドを追体験できる。 1995/08/30 発売
黒ずくめの衣装で肩をすくめて歌う浅川マキには、ネオンの輝きが作りだす影でつぶやく女がいる。[1]は本多俊之とのデュオで、[2]はボビー・ワトソンとその仲間のなかで歌っている。地下のよどんだ空気のなかに浸りきっている歌声のうめきに似た説得力。 1996/12/21 発売
「初期作品集Vol.2」と「マイ・フェイヴァリット・メロディ」のタイトルで編集した2枚組。マキと言えば黒のイメージだ。ブルースも青ではなく黒。デビュー作のジャケット写真を用いたしたCDジャケットも黒が基調だ。歌も、もちろん黒い。 1997/11/19 発売
この人が持っている“闇”の部分は、70年代初頭の新宿と見事に通じていた。あのころの“新宿”はカウンター・カルチャーを象徴する語感がまだ残っていたのだった。時代は移り変わっても、浅川マキはますます深い闇を引きずって生きていく。凄味を感じる。 1998/11/26 発売