“円熟の味”という言葉がこれほど似合う作品も珍しい。1950年代からトップ・プレイヤーのひとりだったマリアーノが、ここではじっくりと音楽に向かうことで思いのたけを表現してみせる。美しいトーンとイマジネイティヴな歌心。心に残る作品だ。