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自由の岸辺自由の岸辺

2017年にリリースされた新作アルバム「マニジュ」で新境地を見せた佐野元春。 それからわずか10ヶ月。時を待たずしてファンに届けられた新作「自由の岸辺」。 自身の過去楽曲11曲を厳選、編曲に大胆な改変を施し新たな楽曲として蘇らせたのが本盤。 セルフカバーアルバムという点では、すでに2011年にリリースされている「月と専制君主」の続編といえる。 アルバム「自由の岸辺」は、流行とは一線を引いた普遍的な音楽表現に貫かれているので聴く世代を問わない。 このアルバムに潜んでいるきらめきは永遠だ。古くからのファンも新しいファンも新作を聴くように楽しめるだろう。 バッキングには前作セルフカバー・アルバムと同じセッション・メンバーが参加した。古田たかし(dr)、井上富雄(B)、Dr.kyOn(key)、長田 進(G)。 長年親交を共にしてきたミュージシャン達だ。古田 /井上によるコンビネーションが安定感のあるリズムを刻み、Dr.kyOnのピアノがファンキーに転がる。 長田進のギターがブルージーに唸り、佐野自身も何曲かで見事なソロ演奏を披露している。彼らのプレイヤビリティーを知り尽くした佐野が、 それぞれのミュージシャンのポテンシャルを最大限に引き出している。 アルバム「自由の岸辺」は全編に渡って、フォーク、ブルース、ニューオリンズ、ジャズ、カリビアン、レゲなど多彩なビートが採用されている。 ここでの佐野は、卓越したメロディ・メーカーであるだけでなく、言葉を際立たせる編曲家としても限りない創造力を発揮している。 アルバム「自由の岸辺」はセルフカバーアルバムではあるが、そこに懐古的な要素はない。これは現在進行形のソングライターによる新作アルバムといえる。 それぞれの楽曲が持つ音の豊富さに彩られて、佐野元春はジャック・ブレルのように愛を歌い、カエターノ・ヴェローゾのように真実を奏でる。 どの曲を採っても、詩的表現の中に気取りのないユーモアと批評精神を滲ませ、時が経っても古臭さを感じさせない。 むしろ成熟した大人の芳醇さに包まれ、説得力あるメッセージとして現代の聴き手に響く。 CDマスタリングにラーセン・マスタリングのチーフ・エンジニア、Gavin Lurssen(ギャビン・ラーセン)、アナログ・カッティングに、 キャピタル・マスタリングのベテラン・エンジニア、Ron McMaster(ロン・マクマスター)が担当。CD、アナログとも最高品質のサウンドを届ける。 佐野元春 & ザ・ホーボーキング・バンドの新作アルバム「自由の岸辺」。豊かなバンド・サウンドとビート詩人佐野元春のソングライティングを聴く。 そこには他のバンド/シンガーの作品からはけっして得られない、独特のきらめく体験がある。 2018/05/23 発売

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