ドイツ・リートの期待の星、ゲルハーエルが「冬の旅」を録音。張りのある瑞々しい声が失恋した若者を生々しく描く。表現の幅が非常に広く、その歌唱は、歌っているというより、語っているといった方がよいところさえある(特にささやきのような表現)。
ドイツ・リート界に清新の気を吹き込んだ俊英ゲルハーエルは「冬の旅」のCDで絶賛を博したが、これはその前年に録音されたデビュー盤。豊かな感情を込めながらも劇的になり過ぎない自然体の表現が瑞々しい。青春の息吹に触れるような溌剌とした歌唱である。★ 2003/03/26 発売