アルトゥーロ・トスカニーニ・コンプリート・フィラデルフィア・レコーディングズ 1941&1942
制作・出演
アルトゥーロ・トスカニーニ / エトヴィナ・エウスティス / シューベルト / フィラデルフィア管弦楽団 / フローレンス・カーク / ペンシルヴァニア大学グリークラブ女声合唱団 / ロバート・S.ゴドソール以前聴いた感じでは、この頃の録音はいかにも古色蒼然としたものだったが、それが最新リマスターによりモノーラル期に近い音質で楽しめるようになった。「イベリア」の張りのある音、「真夏〜」序曲の推進力など、作品のスタイルうんぬんを超えて引き込まれるものがある。「ローマの祭」はNBC盤ほどではないにしろ、その激しい集中力はトスカニーニならではだ。「悲愴」では意外に重厚なピラミッド型の音作りだったことも認識させられた。「死と変容」もその濃密な響きに圧倒されてしまう。解説は非常に充実しており、読みごたえたっぷり。やはり、この種の録音はこういった作りが望ましい。