ホロヴィッツ未発表カーネギー・ホール・ライヴ 1 ムソルグスキー:展覧会の絵[1948年] リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調[1949年]
1940年代後半、この稀代の豪腕ピアニストのいわば奔放飛ぶ鳥落とす時期に残された私蔵ライヴ録音の初お目見え。所は縁深いカーネギー・ホール。古いファンにはそそって止まぬ発掘ものであろう。演目は名だたる難曲ばかり。しかも、多くは“ホロヴィッツ編”、自ら手を入れてさらに難度を増してある。かくて、甦った音はまさに正真ホロヴィッツの音。切っ先鋭く楽器をきらめかせ、ここぞの見せ場では轟然とたたみ掛けて耳を響きで埋め尽くす。その有無を言わさぬ音の快。そこに漂う無縫の抒情。今は昔。殿堂の音の姿だ。