新井英一全集第1巻VOL.2 眠る人
シンプルな演奏をバックに、新井の歌声がズシリと響いてくる。美声ではないが、存在をナマのままゴロリと投げ出したような歌に、なんとも言えない懐かしさというか安堵感みたいなものを感じる。見せかけの激しさを拒否した、真の強さがどの曲からも伝わる。
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清河への道清河への道
TV『筑紫哲也のニュース23』のテーマ曲「清河への道」の完全版で、なんと48番まである大河私小説とも言える作品。このエネルギーの根源にあるものについて、聴き手それぞれの受け止め方があるだろうが、表現手段としての音楽を信じる意思を評価する。 1995/06/21 発売
果てなき航路果てなき航路
(11)が話題を呼んだ在日韓国人2世シンガーの全20巻になるというソロワークの第1弾。(1)は黒田征太郎、(2)は中上健次の作詞。無頼というか、武骨というか、男のブルースだ。シビアな(9)の歌詞もゴツイやさしさが包みこむ。人生山あり谷ありだと思う人向け。 1995/10/21 発売
NEW YORKへの旅NEW YORKへの旅
重さが気持ちいい。結局、人間はこういうところへ帰っていくのだ。疲れたときにこそ、重苦しい空気が欲しくなる。自己の存在を徹底して押し出してくる新井の歌に、ようやく(気分だけは)対峙できそうな季節になったということか。繰り返し聴きたい。 1996/10/23 発売