暗黒の聖書
80年代の日本ヘヴィ・メタル・ブームでメジャー・デビューしたバンドのなかで、美形ぞろいで知られ、アイドル的な人気もあったブリザード。彼らの初期4枚がHDCDデジタル・マスタリング仕様で再発された。デビュー時のデフ・レパードに通じるようなブリティッシュ・ロックが特徴のバンドだったが、アルバムを重ねるごとにアプローチも広がり、ドラマティックなメタルからアメリカン・ポップなナンバー、さらにはプログレッシヴな味付けの曲までプレイ。4枚を通してバンドが成長する過程も楽しめる。1作目『暗黒の聖書』(84年)はジャーニーが曲提供したのも話題となった。また特筆すべきは松川敏也のギター・プレイだろう。ランディ・ローズ似ということでブリザード結成以前から知られたギタリストだが、そのプレイも叙情的フレーズを中心とした構成美で酔わせる。