発売元 : ネオプレックス
朴訥なヴォーカルに何とも言えずホッとする。造り込んだ唄い方が目立つ昨今、こういう存在は貴重であり、もっと聴かれるべきだ。ロマンティックな言葉のなかに突然、ズバッと切り込んでくる鋭いフレーズ。その瞬間、下田逸郎というシンガーの存在が強烈に焼きつけられる。
70年代からマイ・ペースで、息の長い活動を続けているベテランの新作。タイトル曲のみならず、ほとんどの曲がミディアムのゆったりした作風で、朴訥なヴォーカルがまた味わい深い。キャリアは長いが、変な垢はまったく感じられない。
ラジオ局のイベントでグランプリを獲った4人の、デビュー・マキシ。ラヴとかビューリフォーとか、凡庸なフレーズがぴかぴか光っているみたいで、聴いているこちらが赤面するくらい可愛らしいのー! それはともかく、もうすこし音の作り込み・重ねあわせにも専心しては。
インターネット・オーディションで選ばれた女性ヴォーカルにギター2本のユニットのセカンド・ミニ・アルバム。70年代のブリティッシュ・フォークのような湿り気のあるメロディとサウンドがいい。時にシリアス、時にチャーミングなもものヴォーカルも魅力。★
北海道出身のシンガー・ソングライターで、映画音楽の作曲を目指し上京したという。松任谷正隆に師事し才能を開花させた新進気鋭で、大自然のなかで育まれた、のびのびとした発想と飾り気を排したアコースティックなシンプルさが非凡さを感じさせる一枚。
童謡調にのんびりとしたテンポで歌われる「あぁ永田町!」は、誰のこと指しているのか分かるように、永田町政治への皮肉を込めた歌詞を子供風に歌っていく。「ぼくたちの国」は昔話風の語りから始まり、“どうしちゃったの?”と歌い、問いかけていく。
ストリート・ライヴをベースに手売りで渋公ライヴを実現させたヨシケン。4枚目のシングルはハードなサウンドで勢いよく迫る。カップリングはセカンド・シングル『ブリッジ』(2000年10月)収録曲の再録と、2002年1月の渋谷公会堂公演からのライヴ・テイク。
いきなり尺八によるあのフレーズ(1)で何やら厳粛な空気に包まれてしまうが、ちょっとテンポが上がった(2)などはスンナリ耳に入ってくる。和楽器で洋楽を料理するというチャレンジは以前から行なわれてきたが、それがすでに無理筋ではない時代に入っていることを実感する。
Atsukoといえば、2000年春に惜しまれながら解散したユニット“Love Comedy”のヴォーカリスト。その彼女が、いよいよソロ活動を始動した。ポップなアレンジと彼女の甘い声は、マッチしていて聴きやすい。しかし、願わくばもう少しパンチが欲しかった。
フィオナ・アップル、UAなどをフェイバリットに挙げる女性シンガー・ソングライターのデビュー・マキシ。アフリカの民族音楽を想起させるプリミティブなリズムと日本的情緒ただよう旋律がミックスされた表題曲は、彼女のユニークな資質を見事に表現している。
長めの金髪に甘いマスク……尖った印象もあるが、楽曲はいたって正統派のロックといえよう。ライヴ音源3曲を収録し、路上で培った実力を照らし出す今作からは、芯のある高音域や、かすれががったニュアンスが際立つヴォーカルの生々しさが伝わってくるはず。