発売元 : 株式会社ファイブズエンタテインメント
ヤクザ者や渡世人などをうたう、オリジナルの「旅鴉」を含む股旅作品。芝居や映画などの主人公に託された人生の哀歓をうたった戦前からの股旅歌謡名曲をカヴァーしている。五木ひろしがうたうと、さほど古さを感じさせないのが面白い。彼の得意とするジャンルの歌だけに、時にくどいと思えるコブシが快感となっている。
演歌の大御所、五木ひろしのデビュー40周年記念4枚組全40曲。デビューの71年から10年ごとに、それぞれ1枚にまとめられている。五木ひろしになる前からプロとしてのキャリアを積んできた人だけに、デビューした時から唄の巧さは群を抜いていたが、円熟味を増すに連れて奥深い包容力が感じられるようになった。「よこはまたそがれ」「待っている女」「夜空」「長良川艶歌」などの大ヒット曲はニュー・ヴァージョンだが、それもまた五木演歌の成長ぶりがうかがえて面白く聴ける。
五木によるカヴァー曲集の第2弾。コブシをきかせた平原綾香の「Jupiter」や山下達郎の「Ride On Time」のカヴァーで腰を抜かすだろう。コブクロの「蕾」ではまるで別の曲となっている。つねに五木の居場所に歌を引き寄せているのが凄い。半端なカヴァー作品でないところはさすがだ。
芸名を五木ひろしとしてから40周年を迎えた記念第1弾シングル。またカップリングには2006年にリリースされた「雪見酒」のアレンジを一新して収録。しっとりと大人の悲恋情話を切々と歌い上げる五木演歌の真骨頂。季節的には一足早いが、白い雪景色がよく似合う。
五木ひろし自身がギターを弾き、歌っている。新録の「凍て鶴」でのこれでもかといった情感を込めた歌唱こそ、五木ひろしの本領発揮といったところだろう。“涙ぐせ不幸ぐせ”と歌う新曲「おしろい花」では、情感の込めかたも緩めとなっている。コブシというよりも、声圧といったもので演歌にしている。
作曲家兼ギタリストである木村好夫の追悼盤に初収録された96年の楽曲を再録音したのが「おしろい花」。哀愁漂うギターの音と、別れた女性への残る恋心を歌い上げるヴォーカルは、ドラマ性があり感傷的な気持ちになる。一方で、重々しくないアレンジとコーラスが聴きやすく、気軽に口ずさめる娯楽性も併せ持つ。
昭和歌謡の希代のヒット・メイカー、浜口庫之助の数ある楽曲から全14曲、五木ひろしがバラエティ豊かな作品群を絶妙の味で唄いあげている。「バラが咲いた」「黄色いサクランボ」が五木節でどう変身しているかなど、聴きどころテンコ盛りだ。ミッキー吉野のアレンジも、ハマクラ色を活かしつつ、現代の空気感を見事に伝える。
6曲のニュー・ヴァージョンを含む全曲集で、意外な面白味もある。「よこはま・たそがれ」はかつての五木ならではの歌声としか思えない彼の魅力だった乾いた情感をかもし出す歌唱だ。この曲や「千曲川」、さらに「長良川艶歌」でみられるウェットな歌唱への変化が、歌手・五木の変遷を感じさせる。
歌手生活45周年を記念し、自らの企画・選曲により昭和32年作品の「柿の木坂の家」から平成18年作品「愛のままで…」まで約50年間のヒット曲をカヴァー収録。演歌からポップスまで歌いこなす五木が、サザンや長渕の曲もみごとな五木色に染めている。
五木ひろしの歌手生活45周年記念シングル第2弾。91年、ちあきなおみの事実上のラスト・シングルとして発売された作品のカヴァーで、この曲に対する五木の思い入れの深さを感じる仕上がり。詞とメロディの哀感を、語りかけるような歌唱で切々と伝える。
堂々といつもの演歌コブシでアメリカン・ポップスを歌う五木ひろしに脱帽。『アメリカン〜』収録のキュートな歌声の松浦亜弥とのデュエット曲「ヘイ・ポーラ」ではコブシの落差を堪能、「愛さずにはいられない」ではレイ・チャールズのR&Bコブシとの相似性を想像させたりもする。英語ヴァージョンの「よこはま・たそがれ」「待っている女」も聴き逃せない。シャンソン&カンツォーネを歌うとき、五木の声の重さが際立つ。だが『哀愁の〜』収録のフリオ・イグレシアスの「黒い瞳のナタリー」やアダモの「雪が降る」などはピッタリとはまっている。『江戸の夕映え』では都々逸を織り込んだ「浅き夢みし」やノリノリの「大江戸瓦版」「ヘヘイ弥次さん ホイ喜多さん」など江戸期を舞台にした歌で五木節を展開。
歌手生活45周年を記念した、アメリカン・ポップスのカヴァー・アルバム。松浦亜弥とのデュエットによる「ヘイ・ポーラ」をはじめ、1950〜60年代の名曲の数々が多彩なアレンジと巧みなヴォーカルで楽しめる。
「ふるさと〜'08バージョン〜」はオリジナルに比べ軽いタッチの仕上がりで、平成版田園ソングといった趣。五木ひろしのサラリとした歌唱もアレンジに巧くマッチしている。「契り」は阿久悠の作詞、五木の作曲で、シットリした詞がジンワリ身に沁みる佳作。
50代最後の“五木演歌”は、「女ひとり」(94年)以来となる作詞家、荒木とよひさとのコンビによる自作曲で、命がけの恋に生きる女性を熱く、切々と歌う。たかたかし、岡千秋の共作によるカップリング曲も、北の厳しい自然と女性の恋心が絡み合う力作だ。