1992年10月発売
派手な衣装ばかり目につく小林幸子だが、演歌に押しやられているものの、そのヴォーカル・スタイルやサウンドは泥臭いものではなく、意外とおしゃれなもの。ただ、グッと力を入れるところで歌謡性を強調しすぎるタイプなので演歌的になってしまう。
デビューから4半世紀といえば自他共に認める大ベテラン。確かに彼女の歌からは、そんじょそこいらのヒヨッコたちには真似のできない存在感が感じられる。ただ、ときどきその重さが負担に思えることもある。これだけキッチリと押してこられると貫禄負けか。
ポール・サイモンがアルバム『グレースランド』に起用、南アの黒人ミュージシャンたちが脚光を浴びるきっかけともなったア・カペラ・グループの87年度録音。その後マハラティーニを聴いた耳には、非常に知的な印象が残る。サイモンとの相性にも納得?
奔放なカントリー・ロックで人気の高い人の、来日を記念してのベスト盤だが、全12曲中5つの新曲と言ったように、入門編を越えた価値を備えている。中でも、ビートルズ・ナンバーのカヴァー(1)に至っては、そのリズムの豪快な切れ味といい惚れ惚れする。
ニューヨークの尖鋭的ジャズ・クラブ“ニッティング・ファクトリー”などで活躍していた女性シンガー、ノラ・ヨークのデビュー・アルバム。メロディに忠実にサラリと歌う歌い方がけっこう新鮮だ。“新感覚の正統派”といった感じだろうか。
マービン・ゲイの娘(母親はジャニス・ハンター)、ノーナのデビュー作。周囲を固めるのはウルフ&エピックやアンドレイ・クラウチの甥などで話題だけで終ってしまう可能性が60%というのが正直な気持ち。しかし、軽いけど歌唱力に幅があるから少し期待。
ニュー・キッズのドニーの実弟が前作に続き兄プロデュースのもと完成した第2弾。今や兄弟負けず劣らずの人気だが、両者共カッコじゃない徹底した仕事ぶりが光る。ジャジーな雰囲気もとり入れて音の幅も広がった。相当骨っぽいヒップホップ作品の一つ。