1999年10月20日発売
バルトーク:ピアノのための作品集バルトーク:ピアノのための作品集
ベロフが20代半ばの頃の演奏。このバルトーク・アルバムでは、前半にソナタ、後半に民族色の濃い作品が収められている。運動性の高い曲でのベロフの技巧の冴えが素晴らしい。後半の舞曲では民族色よりもむしろ洗練された音色が印象に残る。
スピーク・ロウスピーク・ロウ
ご存じ“日本のエロール・ガーナー”ことヤマチャンが相変わらずのスウィンガーぶりを発揮する。こんなに乗りのいいピアノが弾けるひとは彼を除いて日本にはまずいない。その真価を存分に発揮したのが本家ガーナーの書いた名曲(4)だ。他の選曲も全部いい。
国境の南・太陽の西国境の南・太陽の西
村上春樹『国境の南、太陽の西』に引っ掛けたアルバムで、(8)以外は小説に登場する曲で構成。ベテラン3人が、ちょいとやってみるべぇか的気楽さでプレイしていて、その分こっちも聴きやすい。アッサリ味のピアノが、春樹小説ぽいっていうことなのだろうか。
ワルツ・フォー・デビーワルツ・フォー・デビー
スライド・ハンプトンやエリック・アレキサンダーとの共演で知られる中堅ピアニストの最新盤は、故ビル・エヴァンスの愛奏曲集。有名曲中心の選曲だが、原曲の持ち味を生かしつつ大胆で個性あふれる解釈を試みており、好感のもてる仕上がりとなっている。