1999年12月発売
昭和24年(1949)からほぼ10年間キングに在籍した三絛町子。これといったヒットには恵まれなかったけれど、そんな中での(1)は彼女が放った大ホームラン。オリジナル原盤の使用だから、やわらかくてなめらか、そして張りのある当時の若々しい歌唱が楽しめる。
昨年は『琉球の風』なんてドラマがありました。仲宗根さんは沖縄出身ですね。(1)が一番のヒットです。もちろん彼女がデビューした時は、沖縄臭を消してのデビューで、ここでも沖縄の曲が入っているけれど、日本に媚びているところが哀しい。録音データなし。
安藤昇を彷彿とさせるジャケの写真と(8)の「指切りの街」というタイトルから、アチラ方面の人かとも思いましたが、それは誤解。ホントは歌手生活35周年を迎える本格派演歌歌手です。「猫とカツオ節」なんて曲も歌っちゃってるけど。結構軽めの味わい。
伸びやかな童歌風、民謡調、金田星雄とのデュエットによる青春歌謡など、モノラル時代の懐かしい楽曲((3)〜(11))まで収録した全曲集。小宮の歌曲斉唱といった初々しい歌唱から、こぶしを効かせた豪快なスタイルまで、豊かな歴史が刻み込まれている。
(2)(4)からも想像つくように、主に東京オリンピックの前後に活躍した人だ。僕には郷愁の歌手である。ビッグヒットの(1)はいまでも時々耳にするが、「女心の唄(バーブ佐竹)のアンサーソング」みたいな(8)は本当に久し振り。たちまちあの頃にタイムスリップする。
エネルギッシュでパンチの効いた迫力のある歌唱が身上の竹越ひろ子。この人にはちょっぴりやくざで世をすねた退廃的な歌がよく似合う。ヒットした(1)もそうだが、さしずめ(8)などはその代表格。エキゾチックな中に哀愁を漂わせ、デカダンをタップリ歌い上げる。
セリフ入りのド演歌を八方破れを装う芸風で聴かせていく真山一郎の迫力歌唱に脱帽。岡田以蔵のセリフと、婦系図のおつたのセリフを比べられたし。フッと風船から空気が抜けるかのように節に大波をつけていく。浪曲よりも面白い(?!)歌唱なのです。
キングの大御所アーティストの代表曲が1枚で楽しめて人気の、全曲集シリーズ。どーんと全45タイトルが発売されます。次代にも歌い継がれていくであろう名曲の数々、ぜひお手元に。