1999年4月25日発売
<一柳慧の宇宙3>19607’s&199<一柳慧の宇宙3>19607’s&199
一柳は時を見るに敏な作曲家である。時代の空気を巧みに捕まえたスタイルで曲を書く。それが聴く者にどこか颯爽と鮮やかな現代性を感じさせる。60年代は尖鋭な実験と問題提起の時代だった。90年代はどうやら保守回帰と“物語”の時代。その音妙に苦い。
J.S&C.P.E.バッハ:ソナタ集J.S&C.P.E.バッハ:ソナタ集
名手シェレンベルガーが98年に創設した“カンパネラ・ムジカ”レーベル第1弾。チェンバロのかわりにハープを、通奏低音にはヴィオローネを使った企みは、伸びやかで優しいサウンドを作り上げた。深みはないが、上品で美しく耳当たりのいい音楽だ。
マルタン,ルトスワフスキ,イベール:コンチェルタンテ集マルタン,ルトスワフスキ,イベール:コンチェルタンテ集
オーボエと弦楽オケのための作品集(うち2曲はハープ独奏も含む)。3曲とも先日亡くなったパウル・ザッヒャーの委嘱作品である。シェレンベルガーが名人芸を披露するが、3曲とも、結構、辛口の音楽だ。シェレンベルガーの自主レーベルの制作盤。