2000年発売
朝啄会創立30周年を記念して、梅若朝啄の歌う民謡・歌謡曲とをまとめたベスト盤。前半の民謡編で伸びる喉の程を確認しているだけに、三橋美智也ナンバーを中心に歌う歌謡曲編では、美智也にとってモダン過ぎる冒険作だった(14)(20)は朝啄の歌でも秀逸だ。
サンフランシスコを中心に活動している美人女性ギタリストの新作。全曲オリジナルだが、ポップなサウンドに乗せて、よく歌うギター・ソロがたっぷりと楽しめる。堅実なテクニックと、クリアなギターのトーンが、とても気持ちいい。ユニゾン・スキャットも聴きもの。
いまや日本を代表するベーシストのひとりとなった金澤による2作目。今回はジョーンズと共演したトリオ・アルバムだ。本来は豪快な側面も持っている金澤だが、ここではハート・ウォームでスウィンギーな演奏を連続させる。その懐の深さに感服してしまう。
如月のギター・プレイをジャズ・ギターとして紹介してしまうにはいささかの抵抗がある。それは彼がきわめてオリジナルな音楽感と音楽性を持っているからだ。ジャズの語法を用いた演奏をしていても、如月のプレイからは強い個性がうかがえる。それが本作だ。
ラヴェルの「ボレロ」そっくりだったりする黒沢映画の音楽を枕に、23歳のデビュー作、雅楽的な(3)から、41歳で早世する前年、東洋的発想を追求した(5)まで、西洋と日本との調停や融合を模索し、昭和前半を駆け抜けたユニークな歩みを、充実の演奏で聴く。
テレビのCMでも話題の「G線上のアリア」を含むカーリン・クロッグの新作。ユニークなリード奏者ジョン・サーマンとの共演盤だ。さまざまなジャンルに果敢に挑戦している彼女だが、ここでもユニークなサウンドと澄んだ歌声が絶妙に溶け合い、独特の世界を作り出している。
90年に亡くなった指揮者渡辺暁雄の、没後10周年を記念して初CD化された。これは67年厚生年金ホールで録音され、銘盤の誉れ高かったレコードなだけに、大変嬉しい。渡辺が得意とした北欧ものを、日フィルがゆったりとした温かな流れで応える。
発売元
キングレコード株式会社このCDはすばらしい。65年12月4日、東京カテドラルでのモーツァルトの命日追悼ミサのライブ。同時に典礼の様子も収録されているが、何より演奏が凄い。デビューして間もない若杉弘渾身の指揮。日本でこれほどのモツレクはいまだ聴いたことがない。
発売元
キングレコード株式会社豪華な配役で67年に録音した教育用アルバム。演奏は薄っぺらなところがなく格調高い。テンポはやや遅めで聴く子供たちが細部まで注意を払えるよう考慮されている。当時、この日本にも丁寧な作りの職人的温かさを感じさせるものが、まだあったのだ。
ニューヨークで活躍中の日本人ギタリスト、ハルの、ギター・トリオによるウェイン・ショーター集。ショーターの浮遊感あふれる不思議なメロディを、抜群のテクニックとイマジネーションあふれるアドリブで、新鮮なサウンドに見事に生まれ変わらせている。