音楽むすび | 2008年12月発売

2008年12月発売

初代 柳家金語楼 名演落語集 落語家の兵隊/新婚旧婚/猫の医者/居候/おしる粉屋/動物園初代 柳家金語楼 名演落語集 落語家の兵隊/新婚旧婚/猫の医者/居候/おしる粉屋/動物園

寄席から映画、舞台、ラジオ、テレビとあらゆる場で爆笑王の名を馳せた柳家金語楼の、戦前の音源に戦後の録音2作を加えた名演集5枚。大正15年にレコード「噺家の兵隊」の大ヒットで人気が爆発したが、ここに収められているのは昭和6年の再吹き込み。金語楼は新作落語のパイオニアとして知られるが、そこに至った背景には関東大震災による江戸情緒の消滅と、新しい時代の到来があったのではないか。円タク、銀ブラが都会の風俗の最先端であった時代の描写は巧みだ。それだけに、新作はナマモノとして短命であることも十分に察知していたのだろう。映画やテレビなどニュー・メディアに活動の基盤を移し、マスの笑いを追求した姿勢に、社会の変遷に対する鋭敏な嗅覚が窺える。(三)の5曲目「ある交番」と(五)の3曲目「ふぐ」は昭和30年のNHKのライヴ音源だが、登場しただけで笑いを取る凄味は衰えていない。

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