著者 : かんべむさし
早期退職優遇制度で会社を辞めたが、再就職先の話が宙に浮いてしまった、大手電機メーカー課長の平田。上司にセクハラを受け、やむなく退職した春名さち子。高校中退、転職歴無数、ようやく落ち着いた印刷会社は社長が夜逃げ、バッグ一つで大阪から上京してきた長吉。そんな三人が出会って考えた。自分たちで会社を作り、いろいろなアイデアを売り込もう。しかし…。抱腹絶倒、長篇ユーモア小説。書下し。
「いろんなドラマがあるよ」人事部長を継ぐ田島は前任者からそのファイルを渡されるとき、こう言われた。住宅建材を扱う東亜建材産業株式会社。社史をさかのぼれば、じつにさまざまな事件があった。ファイルは、公式には記されていない事実に満ちていた…。人事マンは、あなたをどう評価しているのか?ユーモア、ミステリー、ホラーに彩られた傑作ビジネス小説。
一文字郁良は名前通りのしがないフリーライターだが、全国規模の警備保障会社に頼まれて各支店の体験譚を取材すべく北は北海道から南は九州までの行脚に出かける。自転車チェイス、パンティ泥棒、糞尿譚…。さすが話題には事欠かないが、あにはからんや一文字じしんが政・財・官の結託する大陰謀に巻き込まれる。東京B・B計画-。そこには怪しげな対祖や女性も登場して…。
寺田喬氏は、紡績会社の東京支社で課長をつとめる普通のサラリーマン。彼が四十一歳のころから、この物語、迷いと苦しみの日々が始まった。…まず体調の不安、そして会社での上司と部下の板ばさみ、勉強嫌いの息子と老いた親。山積する問題に、もがきあえいだ末、寺田氏は起死回生の脱出法を思いついた。それは…。サクセスのためのノウハウを秘めた実用小説。
まだ地平線の果ての見えない笑街道。作者ともども、花麿、じてんしゃ、デメンチアの苦闘も続きます。「笑いは生理的には、人の心身を『緩和』『解放』『無防備』状態となさしめるものであるが、『異常』に接したとき、それと彼における『通常』との距離や落差を計り…」なんて哲学的な思索もあったりして。万人を笑わせる“究極の笑い”は見つかったか?読者諸兄姉の賢明なる洞察では?巨篇意欲作完結。
若き釣人ワスビルは、ケシモの海に舟を漕ぎ出し、ワシスを餌に釣をした。ケシモの海の最深部の闇の中には、とてつもない大魚怪魚異魚がいるという。その名をヨネチ。すべての魚の先祖、原魚だと言われている。ワスビルが「今日こそは」と伸ばした道糸の先に確かな魚信があった…。「かんべSF」の快作11編を結集!
「秀丸正太さん!」「はいっ!」銀行の窓口嬢の声に、若い男が2人同時に返事した。なんと彼らは同姓同名。でも、ヒラと常務取締役で身分がちがう。そんな2人が友情を結び、物語は急降下、急上昇、波瀾万丈!いつしか2人の立場は逆転しはじめたのだが…。まさかこんな話、あるかもしれない、の傑作ユーモア・ミュージカル。