著者 : こざわたまこ
中学校のクラスに馴染めず、現実から妄想の世界に逃げがちな依子。彼女が頼れるのは父と、幼い頃から一緒に育ってきた愛犬のトト、そしてたった一人の友人・さきだけだった。しかしクラス替えからしばらくして、“新しい友達”ができたさきは依子を避けるようになるー。自分の居場所を見つけられない人、探してしまう人へ贈る、著者渾身の連作短篇小説。
結婚を考えていた元恋人へ、田舎から一緒に上京した親友へ、亡くなった母へ…。大切な人に伝えられなかった本当の気持ち。「女による女のためのR-18文学賞」デビューの期待の新鋭が贈る、瑞々しい才能がきらめく大注目の最新作!
30歳を前に総務課の中間管理職になった優紀。役職に不相応なことは自分が一番分かっている。それでも課内の人間関係のもつれを解そうと奔走するがー『走れ、中間管理職』。残業代も有休も貰えるものはきちんと貰い、したたかに生きていたいと考える沙也。しかしかつて厳しく指導された上司が育休から復帰し周囲は「助け合おう」という空気に満ちていてー『エールはいらない』。ほか、仕事に疲れ気味な現代人の心を癒やす全六篇を収録!
国道沿いのラブホテルのネオンだけが夜を照らす村を、自転車で爆走する高校生の田上。ある晩ラブホ帰りの同級生、野口と遭遇した。足が不自由な彼女は“復讐”のため、村中の男と寝るという。田上は協力を申し出るが…。出会い系、不倫、家庭崩壊、諦めながら見る将来の夢。地方に生まれた全ての人が、そこを出る理由も、出ない理由も持っている。光を探して必死にもがく、青春疾走群像劇。
野山を自転車で爆走していた高校1年の男子生徒は深夜3時の道端で、クラスメイトの女子高生を拾う。「セックスしてただけ」と話す“村いちばんのヤリマン”をただ家まで送り届けるだけの奇妙な共犯関係が始まり…。あきらめと若さが交差する、疾走感に満ちたデビュー作。第11回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作。