著者 : さんど
ジルギスタ国の薬草研究者であるライラは、同じ研究所の婚約者や妹に「雑用係」と罵られ、重ねた努力を誰からも認められない日々を過ごしていた。挙句の果てには婚約破棄まで言い渡され、研究所を去ることを決意したライラ。そんな時、隣国で研究者をしているというアシュレンに出会う。「ここで愛を囁けばロマンティックなのだろうが、俺は貴女をスカウトしに来た」その誘いに希望を見出し、アシュレンの研究仲間として隣国に渡ったライラ。そこで充実した日々を過ごすうちに、二人の心は変化し始めー?
雑草むしりが仕事の底辺女官・草苺。彼女のたった1つの特技は、女性の命であり品位の象徴でもある癒花ー頭部に咲く花を整える「花結い」だった。いつか正式な花結師になりたいと願いながらも、雑草娘の自分には夢のまた夢と、こっそり周りの女官の花を整えるに留めていた。しかしある日、花を虫に食われ、無残なまでに黒ずませた妃嬪が助けを求めてやってくる。草苺が独学で身につけた荒削りの花結い技術が、後宮を渦巻く事件を救う鍵になり…!?
王妃の重病を治したことで、アレシアの“癒しの力”が王家にばれてしまう。さらに、敵対する隣国もアレシアの力を探ろうと農園に干渉してくるようにー。「この国の人々の役に立ちたいのです」アレシアは奇跡の農園を守るため、王家に真実を明かして庇護を求める。第一王子マークスとの縁もあり、王家とは円満な関係を築くのだが、その交流の中で、前世アウーラの真相を知ってしまう。「水よ、現れよ!!」苦悩するアレシアだが、多くの人の支えを受けトラウマを克服。水の魔法使いとして覚醒し、母国のために尽くすと決意を新たにする。「マークス様、協力体制なら異存はありません」マークス王太子とアレシアは、砂漠の国を豊かにしようと活動を始めるが…。
「雨の範囲が広くなってるから、いつか見つかってしまうわ」『睡眠時に雨を降らせる』不思議な少女アレシア。砂漠の国シュメルに暮らす彼女は、その力を隠すため両親とひっそり暮らしていた。実はアレシアは、大魔法使いアウーラの生まれ変わり。その強力な水の魔法で国のために前線で戦い、国王との婚姻も決まっていたのだが、謀略によって、二十三歳の若さで処刑されてしまったのだ。前世が悲惨だったからこそ、アレシアは農園で静かに暮らしながら人の役に立つことを願うが、彼女が降らす雨は植物の発育を助け、さらに“癒し”の効果まで秘めた特別な水だった。「今度の人生こそ間違えたくない。正しい選択をしたい」恵みの雨を降らす少女が砂漠の国で強く優しく生きていく、そんな御伽噺の始まりです。
永き封印より偶然目覚めた吸血鬼の始祖アルクラド。記憶をなくしていた彼は自分と世界を知るため旅に出ることに。駆け出し冒険者のライカ&ロザリーと出会い、依頼をこなしていくのだが…1度の依頼で昇級し、数ランク上の魔物を軽々倒したり、町の屋台を食べ尽くしたり、自由気ままな冒険を満喫していく!無敵な吸血鬼の放浪記、ここに開幕!