小説むすび | 著者 : にしおかすみこ

著者 : にしおかすみこ

ポンコツ一家ポンコツ一家

家族紹介。 うちは、 母、80歳、認知症。 姉、47歳、ダウン症。 父、81歳、酔っ払い。 ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。45歳。独身、行き遅れ。 全員ポンコツである。 ただ、皆が皆ずっとこうだった訳ではない。 何十年かぶりに、私は実家に戻った。 まずはその理由を、いや長めの愚痴にお付き合い頂けたら、とても嬉しいーー。 *** 変わり果てた実家。私の知らない母。実家に戻って 住もうなどと、その時は夢にも思っていなかったのに。 ローテーブルの上に、割りばしが突っ込まれたままのカップ麺や缶詰、茶色いお惣菜がこ びりついたプラスチック容器、半分セメント色したミカン、黒炭のようなバナナの皮等々 の食べ残し、残骸が溢れている。ちょっとしたゴミ屋敷だーー。 どんな状況だって、病気だって、「ポンコツ」な人はいない。 でも、愛を持って私は家族を「ポンコツ」と呼ぶ。 *** 「どこのどいつだ〜い?」「あたしだよっ!」「にしおか〜すみこだよっ」 ロングヘアをなびかせ、SMの女王様の格好で行う漫談で人気を博し、エンタの神様にも出演していた芸人・にしおかすみこさん。現在46歳で、髪もバッサリショートヘアにカットしたにしおかさんが「全員ポンコツ」と語る、自分の家族と介護の物語。 ポンコツ一家 目次 1 実家が砂場になっていた          2 記憶力テスト                 3 背比べ                     4 ヘドロとドロボー                5 疑惑                       6 大晦日の大事件                7 一月にクリスマス                8 地域包括支援センターと冷凍マグロ    9 大事な話               10 姉のバタフライ           11 ホタルイカ            12 ママ速報 13 私の大事な話                      14 花火とぎゃくたい        15 干支 16 ワクチンで発熱          17 青い花 18 ソワソワ               あとがき

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