著者 : ひずき優
さよなら平成、今こそ昭和。新しい時代の始まりにおくる、昭和小説アンソロジー! 昭和十三年、戦争の足音が聞こえる中、貿易商の令嬢と異国の血を引く少女の間に芽生えた確かな絆(ひずき優「光子と蛍子」)。 戦時中、出征前夜に出される心づくしの料理を求めーーそれに込められた「思い」を求めるあやかし(一穂ミチ「ごしょうばん」)。 昭和四十四年、学生運動には興味がなく、カメラを買うため貧乏生活を送る大学生が経験したほろ苦い出会いと別れ(ゆきた志旗「35mm未満の革命」)。 昭和六十三年、大学進学のために田舎から上京した少女が戸惑いながらも過ごしたバブルな青春(相羽鈴「私はバブルに向いてない」)。 昭和という激動の時代に翻弄され、時に抗い、時に取り残されながらも、ひたむきに生きた人々を描く珠玉の四編。
『外務省 国際情報統括官組織 調査室』--他の国際情報官室とは違い、グレーゾーンというべき仕事を引き受ける部署で外交官として働く桐島に宛てて、子供兵士の救済を目的とした国際NGO『チャイルド・イン・ピース』に所属し、半年ほど前から行方不明となっている元恋人・亜希から謎めいたメールが届く。東南アジアにあるビサワンという国で昨年起きた、邦人がらみの誘拐事件の解決に亜希がかかわっていたことを上司から知らされた桐島は、彼女の行方、そして彼女からのメールに込めらた真意をつきとめるべく、一路ビサワンへ飛ぶ。そして、『チャイルド・イン・ピース』のビサワン支部で、桐島へひどく冷たい眼差しを向けてくる少年・レンと出会い…?
グランドジャンプで連載中の人気マンガ「不能犯」の、宮月新原案によるスピンオフ小説、好評につき第二弾登場! 犯罪を意図した行為でもその実現が不可能であれば、罪に問われない。これを『不能犯』というーー。家出をし、デリヘルで働いていた夏美は、OLと偽って参加した婚活パーティーでエリート会社員の雅之と知り合う。努力の甲斐あって婚約まで漕ぎつけ、彼の部屋で一足早い新婚生活を始めていた。幸せを満喫していたある日、雅之の後輩・矢崎が遊びにくる。矢崎は自分がデリヘル時代の客だと言い、「雅之にバラす」と脅してきたため、夏美は彼と関係を持つ羽目になってしまう。悩んだ末に『電話ボックスの殺し屋』--宇相吹に、「自分を苦しめる人間を殺してほしい」と依頼をするが…?
大ざっぱな性格のせいで失敗ばかりの新米刑事・克平。殺人事件の事件聴取でミスを犯し捜査から外され、資料探しを言いつけられる。その時、偶然見つけた私設図書館で不思議な少女と出会い……?
その存在がまことしやかに囁かれる『電話ボックスの殺し屋』。彼に依頼をした4人の女子高生が辿る運命は……!? 人気マンガ『不能犯』スピンオフ小説が登場!
新聞部の響子は伝説のネットアイドル・アリスの未発表動画を偶然見つける。文化祭で発表すべく、その正体を調査する中、同級生の歩、みのり、梨緒、弾の複雑な関係と、アリスへの関わりに気づくが…?
田舎生まれの女子高生・すずめは、上京初日に彼女を助けてくれた獅子尾に生まれて初めて恋をする。一方で同級生・馬村からは告白されて!? 大人気ピュア恋コミックス原作の映画を小説で!
駆け出し絵本作家の賢人は横浜の『ママレード書店』でバイト中。店主のミカンは猫と思いきや、人の夢を食らう「獏」。夢に混じる記憶を消化できず、吐き出してくる。ある日、同級生だった拓也が来店し…?
横浜・元町。裏通りの『ママレード書店』はレトロな雰囲気が売りだ。なぜかここは猫のミカンが店主で、昼寝してばかりの彼が動くと、アルバイトの賢人は白昼夢を見るように……!?