著者 : まごつき
ひとりぼっちのソユーズ 上ひとりぼっちのソユーズ 上
「僕」は幼い頃にユーリヤという女の子と出会う。彼女が僕を「スプートニク」と呼んだ日から、僕は彼女の衛星になり、まるで双子のように一緒に過ごす。ユーリヤの夢は宇宙飛行士として月に行くこと。月を目指していたのは、争いや国境のない世界に憧れていたからだ。やがてスプートニクも、宇宙飛行士になって二人で月に立つことを夢見るようになった。だが、小六の頃から、二人の心は離れてしまい、国境線に背を向けるように別々に歩き出した。そして、高校受験を控えた満月の夜ー二人の心はまた通じ合った。この日から、スプートニクの長い旅がはじまる。
ひとりぼっちのソユーズ 下ひとりぼっちのソユーズ 下
ソーネチカとも心が離れてしまったスプートニクは地球に降りる。だが、彼女に再び会うために、また月を目指す決意をする。二人は離れ離れになりながらも、月に、地球に、思いを馳せた。そしてスプートニクが再び月に上がると、そこに待っていたのは思い描いていたものとは違っていた。月は発展し続け、やがて人類の生活の場になった。ある日スプートニクは月面に宇宙望遠鏡を設置し、遠くの宇宙に未知のブラックホールを発見する。そのブラックホールからは有意な信号が発せられており、それは人類へのメッセージだった。
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