著者 : やまのまや
今さら援助なんていらない。 必要なのは、誠実さと愛。 ハイランド地方に暮らす村娘リオーナは1年前、 アメリカから来たとびきりハンサムな大富豪キャメロンと恋におちた。 繰り返し愛を口にし、一緒にアメリカに来てくれと誘う彼を信じて、 その気になったリオーナは言われるままに仕事も辞めた。 なのに、彼はある日突然姿を消し、二度と戻ってこなかったーー 彼女のおなかに、愛し合った証を残して。 今、生後5カ月の息子を独りで懸命に育てるリオーナの前に、 忘れもしない薄情なキャメロンが再び現れ、訊いた。「僕の子なのか?」 どこかで私に子供がいることを聞き知って、確かめに来たのね……。 ごみのように捨てられたつらさを胸に、リオーナは答えた。「違うわ」 キャメロンが息子の父親だということをどれだけ否定してみても、父と子は否定しようがないほど瓜二つ。結局、彼は息子を婚外子にしないため、結婚して半年だけボストンに住むようリオーナに迫ります。さもなくば養育権を争うという彼の脅しに従うほかなく……。
春の訪れとともに、アニーが営む小さなホテルにも客足が戻ってきた。飛行機事故で両親を失って以来、一人でがんばってきたが、事故直後2カ月間の記憶をアニーはどうしても取り戻せずにいた。シアトルのホテルに研修に行っていたはずなのだけれど…。あれから2年、今日は巨大ホテル・チェーンの経営者を迎える予定だ。休暇だというが、でも、こんな片田舎のホテルにどうして?フリン・パーカーは、歓迎の花を差し出すアニーを見て驚愕の表情を浮かべてた。「いったいこの2年間、どこへ行ってた?君は僕の妻なのに」私は結婚していたの?教えて、私はあなたにどんなふうに愛されていたの?
「名門の僕は君とは結婚できない。だから愛人になってほしい」 ある出来事がもとで、心に傷を抱えていたソフィだったが、 ギリシアのクレタ島で働くことになった。周囲にもなじみ、 自分の居場所を見つけたが、唯一彼女の心を悩ませるのが、 プレイボーイな社長アレックスの、傍若無人なこの誘惑。 類まれな美貌の彼は、平然と女性を弄ぶという悪い噂があったし、 そもそもいまのソフィでは、到底そんな気持ちになれないーー そう断ると突然、唇を絡ませてきた。ソフィは知る由もないが、 社長の目には、まぎれもない本気の火がちらついていた。
キャメロンが戻ってきた。でも、今になってなぜ? 1年前の夏、リオーナの住むスコットランドの村に、 アメリカから大富豪キャメロンがやってきた。ふたりは恋におち、 紫色のヒースが咲き乱れる丘の上で、夢のような時を過ごした。 だが、ある日突然、彼はアメリカへ帰ってしまった。 まもなく彼女は妊娠に気づき、絶望の中でローリーを産んだ。 貧しくても、息子を心の支えに生きてゆく決意をしていたのに。 再び現れたキャメロンは、彼と結婚して半年ボストンで暮らせば、 将来、莫大な遺産をローリーに譲ると言うのだった。 ああ、彼に愛されないことを承知で妻になるほかないの? 〈ゴージャスな恋人〉と銘打ちお贈りする企画第3弾は、傲慢なヒーローとピュアなヒロインの王道ロマンスを描いて大人気の、寡作の名作家アリソン・フレイザー。海を隔てた遠い異国で、村娘がヒースの丘で見た夢はもう一度よみがえるのでしょうか?