著者 : アゴタ・クリストフ
どちらでもいいどちらでもいい
もはや来ることのない列車を待ち続ける老人の狂気と悲しみを描く「北部行きの列車」。まだ見ぬ家族から初めて手紙をもらった孤児の落胆を綴る「郵便受け」。まるで著者自身の無関心を象徴するかのような表題作「どちらでもいい」ほかに加えて、『悪童日記』へのつながりを思わせる単行本未収録の初期短篇「マティアス、きみは何処にいるのか?」を収録。沈黙をつづける著者の絶望と喪失感が色濃く刻まれた、異色の掌篇集。
どちらでもいいどちらでもいい
夫が死に至るまでの、信じられないような顛末を語る妻の姿が滑稽な「斧」。廃駅にて、もはや来ることのない列車を待ち続ける老人の物語「北部行きの列車」。まだ見ぬ家族から、初めて手紙をもらった孤児の落胆を描く「郵便受け」。見知らぬ女と会う約束をした男が待ち合わせ場所で経験する悲劇「間違い電話」。さらには、まるで著者自身の無関心を表わすかのような表題作「どちらでもいい」など、アゴタ・クリストフが長年にわたって書きためた全25篇を収録。祖国を離れ、“敵語”で物語を紡ぐ著者の喪失と絶望が色濃く刻まれた異色の短篇集。
悪童日記悪童日記
戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理ー非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。
昨日昨日
本書はパリでも二カ月前に上梓されたばかりの、待望の長篇第四作。実に四年ぶりの書き下ろし小説となるが、『悪童日記』三部作とはまた違った独自のスタイルで、自らの亡命体験をもとにした「不可能な愛の物語」を描いている。
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