著者 : アリステア・マクリーン
数多くの傑作を世に送り出し、冒険小説の王者と称されたマクリーン。彼の唯一の短篇集である本書は、『女王陛下のユリシーズ号』を生み出すきっかけとなった記念すべき処女短篇「ディリーズ号」や、ドイツ海軍の誇る巨艦が撃沈されるまでの数日間を克明に再現した「戦艦ビスマルクの最期」、軽妙なショート・ショート「金時計」など、さまざまな角度から海と人間のドラマを描いた珠玉の14篇を収録。冒険小説ファン必読。
最新設備を誇るアラスカの石油基地にパイプライン破壊の予告状が届き、次いでポンプ・ステーションが爆破された。油田事故調査員のダーモットは調査を開始、犯人が基地内部に潜んでいることを突き止める。だが、ほぼ同時にカナダの油田にも同じ内容の脅迫が届けられ、今度は誘拐事件が起きていた。二つの油田地帯を襲った黒い影を追って、ダーモットは極北の大雪原を駆ける。巨匠が男たちの息詰まる対決を描く冒険小説。
ロサンゼルス近郊の原子力発電所が、テロ集団に襲撃された。犯人たちは放射性物質を強奪し、さらに原子力物理学者と職員数名を誘拐ー。そこにはライダー主任刑事の妻スーザンも含まれていた。愛する妻を救うべく、必死の捜査を続けるライダー。一方、盗んだ放射性物質から核爆弾を製造したテロ集団の首領モロは、これを使用してカリフォルニア州全域を壊滅させると通告してきた。核テロリズムの恐怖を描く冒険サスペンス。
メキシコ湾に浮かぶ巨大な石油採掘デッキ“シー・ウィッチ”。石油王ワース卿が最新の科学技術を駆使して建造したこの装置は安い石油の大量供給を可能にした。だがそれは石油市場を陰で支配する男たちには許すことのできない事態だった。石油価格の下落を防止するため、世界有数の爆破の戦門家クロンカイトにシー・ウィッチの破壊が依頼される。周到かつ巧妙な手段でワース卿を追いつめてゆくクロンカイト。シー・ウィッチ破壊のため、彼がとった驚異の作戦とは?巨大な海の魔物をめぐる息づまる攻防戦を王者マクリーンがスリリングに描く。
生物兵器の開発では世界の最先端を行くイギリスのモードン研究所。その実験室に何者かが侵入し、所員を殺害した上、恐るべきウイルス、サタン・バグを奪い去った。このウイルスは微量で全世界を破滅させることができる。これを防ぐワクチンは発見されていない。前警備部長のキャヴェルは内部の犯行と見て、調査を開始。だが不敵な犯人は、研究所を閉鎖しなければ、奪った生物兵器をロンドンで撤くと通告してきた。果たしてキャヴェルは残された時間で犯人の正体を暴き、惨事を阻止できるか?冒険小説の王者が忍び寄る生物兵器の恐怖を描く。
アメリカ大統領とアラブ産油国の国王らを乗せた専用バスが金門橋上で強奪された。知能犯ブランソン率いる犯人グループは、橋の交通を遮断し、爆薬を設置する。彼らの目的は5億ドルの身代金。要求が受けいれられぬ場合には、橋を爆破するという。現場に駆けつけた政府首脳らもブランソンの完璧な計画に、なすすべもない。だが、さしもの知能犯も、大統領一行の中にFBIのリブソンが潜んでいるとは知るよしもなかったー。かくて史上空前の大犯罪をめぐり、熾烈な頭脳戦が開始される!風光明媚なカリフォルニアに展開する大型冒険アクション。
航空力学、電子工学などの分野で世界をリードする科学者たちがつぎつぎと行方を絶った。彼らはみな、妻同伴でオーストラリアの新しい職場に向かう途中であった。真相究明を命じられた英国情報部員ベンタルとマリーは、科学者夫妻に変装して、オーストラリアに飛ぶ。だが、中継地フィジーで武装した謎の一団に拉致され、老朽貨物船の船倉に閉じこめられてしまった!いずことも知れぬ目的地に向かう船上から決死の脱出を試みる二人を待ちうけるものは?冒険小説の王者が、最新鋭ミサイルをめぐる陰謀と闘う情報部員の姿をスリリングに描く!